イスタンブールでツアコンの真似事をする(3)

<6日目続き>
ガラタ塔からの夜景見物には少し早いということで向かったのは、金角湾へ下ってアタチュルク橋へ向かっていく道。

1453年、メフメット2世はコンスタンティノープル攻略戦を戦ったが、強靭な城壁に囲まれたコンスタンティノープルを陥落させることは容易ではなかった。ただ、コンスタンティノープルの北側、金角湾に面している部分の城壁は若干貧弱だった。しかし、ここを攻撃することはできなかった。それは街の北側に入り込んでいる金角湾の入口に鎖が張られていて、船が侵入できなかったからである。そこでメフメット2世はびっくりするような作戦を遂行する。金角湾の北側にあるジェノバ人自治区の外側(けっこうな高台)に通路を作り(木の板を並べてそこに動物の油を塗った)、軍艦を牛にひかせて引き上げ、さらに金角湾まで移動させたのだ。これをオスマン艦隊の山越えという。

実際に船を運んだルートは、はっきりとはわからないが、オスマン軍が金角湾に向かって下っていく感じのようなものは確認できるのではないだろうか、ということでアタチュルク橋に向かって下って行く道を歩いたのだ。



アタチュルク橋へ向かって下る道(C氏撮影)。もう少し下って行くと金角湾が見えて来る。何の変哲もない下り道だけれど、歴史好きのお二人には好評だったと思う。




ガラタ塔(C氏撮影)。例によってけっこうな行列ができていたという記憶。




ガラタ塔から(C氏撮影)。中央の橋はガラタ橋。その左の方に金角湾の入口があり、コンスタンティノープル防衛のため鉄の鎖が張られていた。




ガラタ塔を後にする(C氏撮影)。



この後、シルケジ駅のあたりまで歩き、その近くにあるレストランで夕食をとった。一人旅の時は適当に食事を済ませてしまうのだが、一応”ツアコン”として、そこそこのレストラン、かつリーズナブルな値段ということを考慮してレストランを探したが、シルケジ駅の南側に手頃なレストランがけっこう沢山あるということは、自分にとっては発見であった。



<7日目>
”ツアコン”としてお二人を案内するのも、この日が最後である。

まず、2日前、お祈りの時間で入場できなかったスレイマニエ・モスクへ向かい、その後は何となく歩いた。



カメラについているジオラマ・モードで遊んでみた。




マルマラ海に向かって下って行った(C氏撮影)。




マルマラ海岸からスルタンアフメット地区に上がっていく道だと思う(C氏撮影)。所々に古い木造建築が残っているので、それを見るためこの辺りを歩いたのだったと思う。右の建物はかなりヨレヨレだが、その後、リノベーションが施されホテルなどとして再利用されているのだろうか?



昼前、一度ホテルに戻って小休止。

再開後はまずエミノニュに向かい、サバサンドとフレッシュジュース。



ザクロジュース(C氏撮影)。



昼食後、フェリーでユスキュダルへ向かった。目的は船の上からイスタンブールを見ること。



海に浮かぶような感じの建物は乙女の塔(クズ・クレスィ)。その向こうはアジア側。(C氏撮影)



ユスキュダルを少し歩いた後、今度はカバタシュ行きのフェリーに乗船。



カバタシュ行きのフェリーから見たイスタンブール旧市街(C氏撮影)。




カバタシュ行きのフェリーから見たドルマバッチェ宮殿。(C氏撮影)



カバタシュからはフニキュレル(地下ケーブル)を利用してタクシムに出た。この後の目的地は軍事博物館である。

タクシムから歩いて、軍事博物館に着いたのは15時を少し回ったころだった。

この時間帯に軍事博物館へ行ったのは、トルコ陸軍所属の軍楽隊の演奏があるからなのだが、歴史好きのお二人はそれよりも色々な展示物が気に入ってもらえたようで、軍楽隊の演奏は聞かずに館内を歩き回った。



このページの冒頭に書いたメフメット2世によるコンスタンティノープル攻略時の金角湾の模型(C氏撮影)。手前に線のように見えるものが防衛用に張られた鉄の鎖で左側の城壁に囲まれた部分がコンスタンティノープルで右側の城壁で囲まれた部分がジェノバ人自治区。




ジェノバ人自治区とそれ外側に作られた船を通すための道(C氏撮影)。木を敷いた道の上に船が見えるが、これは牛の力を利用して動かした(模型ではそこまでは表現されていない)。ジェノバ人自治区の上の方(写真中央よりやや左上)にガラタ塔があるのがわかる。




金角湾の入口に張られていた鉄の鎖(C氏撮影)。海の感じを出すため青い照明を当てているのだろうか? 



軍事博物館の見学を終えた後、バスでカラキョイへ、さらにトラムでスルタンアフメットへ移動してホテルに戻った。

ここでツアコンの役割を終えて、この後は個人行動をした(お二人はイスタンブールの旅行会社が主催するベリーダンス鑑賞付きのディナーに出かけた)。何度となくイスタンブールを訪れているが、いつも一人旅だった。ということで、やはり一人でイスタンブールをブラブラしたかった。

そしてとくに目的地もなく歩いた。で、やはり自然と足が向いてしまうのは、エミノニュのフェリー乗り場あたり。ここで、行き交う船の汽笛の音を聞きながら、ガラタ塔やガラタ橋の方を望みながらボーッとするのが、自分のイスタンブールでの半ばルーティン化している。



エミノニュのあたり(mp4=14.1Mb)。



一人旅モードで安目の夕食をとり、旧市街を適当に歩いてからホテルにもどって、この日の観光は終了。



アラスタバザールとブルーモスク。




イスタンブールでは思いがけないところで猫に出会うことが時々ある。