<目次>
 1.パレルモ(このページ)
 2.パラッツォ・アドリアーノ
 3.アグリジェント
 4.マザーラ・デル・ヴァッロ~トラーパニ~パレルモ

  パレルモ

たぶん旅の目的地をどこにすべきか困っていたのだと思う。

2010年から2011年にかけてチュニジアで起きた長期独裁政権であるベン・アリー政権に対する反政府運動、いわゆるジャスミン革命が起きて、久しぶりで訪れたいと考えていたチュニジアはちょっと行きにくい状況になっていた。また、何度でも訪れたいと思っていたシリアではアサド独裁政権に対する2011年の民主化運動を機に内戦が勃発して訪問が不可能な状態になっていた。

繰り返し訪れている国々への旅が難しくなるなか、ちょっと変わったテーマの旅に出かけることにした。

映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の舞台となったイタリア・シチリア島のパラッツォ・アドリアーノという村へ行くことにしたのだ。

自分は、普段、映画をほとんど見ない人で、「ニュー・シネマ・パラダイス」の題名は聞いたことがあったが、作品自体はこの前年まで見たことがなかった。

知り合いから勧められるまま、DVDを見てみると、なるほど評判通りの作品だった。

それで、映画の舞台に使われたシチリアの村、パラッツォ・アドリアーノが急速に旅の目的地として浮かび上がってきた。

随分旅をして来たので、何か変わった動機づけも欲しかったし、シチリアの普通の田舎というのにもひかれるものがあった。



<1日目>
成田からだったか、羽田からだったか忘れてしまったが、例によってJAL便でパリに飛び、そこでローマ行きに乗り継ぎ、さらにローマからパレルモに飛んだ。



ローマ・フィウミチーノ国際空港。搭乗口の場所の表示が色分けされていて、電光掲示板の搭乗口も色分けされて視覚的にわかりやすくなっていたというか、凝ったデザインだった。




照明の色も凝っている。




<2日目>
この日は昼過ぎのバスでパラッツォ・アドリアーノに移動することになっているので、その前に、以前パレルモに来たときになぜか見ていなかったパラティーナ礼拝堂を見学することにした。が、その前に、ipod touchの充電用のコードを自宅に置いてきてしまったため、それを探してパレルモの繁華街を歩かねばならなかった(旅先でネットを見たりメールをチェックするのにipod touchを使っていたので何とか調達する必要があった)。

何とかコードを購入することができたが、貴重な時間をけっこうロスしてしまった。



ノルマン王宮へ向かう途中にあるクアットロ・カンティ。クアットロ・カンティとは四つ辻という意味で、交差点の角にある四つの建物が彫刻で飾られている。




パラティーナ礼拝堂(12世紀前半にノルマン王ルッジェーロ2世が造った礼拝堂)。中に入った途端、その美しさに息をのむ。見学順路としては、礼拝堂の後、ノルマン王宮に移ることになる。王宮の方は議会で使用されているため、議会のない日のみ見学が可能。この日は王宮の見学が可能な日だったが、ガイドの案内に従わなければならず、パラッツォ・アドリアーノへの移動のためあまり時間がなかったため、礼拝堂しか見学しなかったようだ(礼拝堂は自由見学)。




天井にはイスラム文化の影響がみられる。













いたるところにキリストや聖人の姿が。










あちこちに見られる幾何学的な模様はやはりイスラム文化の影響を受けたものだろうか?









パラッツォ・アドリアーノへ行くバスの時刻は一応調べてあるが、ネット情報を信用しきるのはちょっと危険だし、いったんホテルに戻って荷物をピックアップしなければならないし、昼食も食べたい。ということで、ささっと見るだけでパラティーナ礼拝堂を後にした。(ネットで見てみると、礼拝堂に入る前のところも、マクエダの中庭とか建物の柱だとか、そこそこ美しいのに写真を1枚も撮っていない。ということは時間がなくかなり急いていたのか?)



ノルマン王宮のヌォーヴァ門。




カテドラーレ?




ホテルで荷物をピックアップしたのち、クアットロ・カンティを経由してパレルモ駅へ向かった。通りの奥の方に微かだが、ヌォーヴァ門が写っていた。写真を見ていてこういうのを見つけるとうれしくなってしまう。




クアットロ・カンティの四つ辻のうち二つが写る場所から撮ってみた。