砂丘が見たければサム砂丘より鳥取砂丘へ行け?
ジョードプルの次はタール砂漠の真ん中に位置する街、ジャイサルメールへ向かった。昔から砂漠好きだから、時間はあまりないが、できれば砂漠へも行きたい。
ジョードプルのホテルのレセプションで、「夜行列車で出発するので、なるべく遅くまで部屋を使いたい」と話すと、次はどこへ行くのかと聞かれたので「ジャイサルメール」と答えると、「友達がホテルをやっているから、そこに泊れ」とうるさい。ホテルは自分で選びたいのだが、列車のジャイサルメール着が朝の5時とかなり早い。まだ真っ暗だ。客引きがたくさん来ているのだろうが、これに着いて行くのと、レセプション氏の友人のところに泊るのとではあまり差がない。ホテルのカードを見せてくれてホテルの状況もわかったし、おまけに電話でホテルの人間と話までさせてもらった。それで、結局、列車の到着に合わせて、出迎えに来てもらうことにした。
20時過ぎ、オートリクシャーで駅へ向かう。若いリクシャーのドライバーは、例に漏れず、ブザーをならしまくり、無秩序に歩く人をかき分けわけるようにして、細い道を爆走していった。
ようやく広い通りに出たと思ったら、すぐジョードプル駅に着いた。
ドライバーの兄ちゃんが、世界のコインを集めているというので、運賃と一緒に10円玉をあげて、別れた。
列車の出発は23時だから、まだ、かなり時間があるが、駅の雰囲気を味わうのも好きなので、あまり問題ではない。
駅では、時々「ファファー」という感じで、ファンファーレのような音がなり、そのあと、列車の関する情報のアナウンスがあった。所変われば品変わるである。
ホームに出てみたり、駅を一通り眺めた後、1等やACの客専用の待合室へ行った(今晩の自分のチケットは2等AC寝台-3段)。ボロだが、椅子やテーブルもあり快適にすごせる。
列車が入線したころを見計らってホームへ出る。
駅の係員が各車両の入り口の横に乗客の名前がプリントアウトされた紙を貼っていく。インドならではの光景である。念のために自分の名前があるかどうか確認すると、ありました、ありました(チケットは日本を出る前にネットで購入)。一安心である。
列車は30分遅れの23時半に出発。例によってエアコンが効きすぎのきらいがあるが、服を着たまま、毛布をかぶれば大丈夫である(毛布やシーツは配布される)。
5時ころ、ほぼ定刻でジャイサルメールに到着。
駅を出るとホテルの名前を書いたプレートをかかげた客引きがたくさんいたが、その中に、自分の名前を書いた紙を持った兄ちゃんがいて、彼のバイクの後ろに座ってホテルへ向かう。しかし、飛ばし過ぎで怖い。
ホテルは砦が見える位置にある、この街にある典型的なゲストハウス。
さて、まだ眠いので一眠り。
8時半すぎに起きだし、朝食をとる。この辺のゲストハウスはみな屋上にレストランを併設しており、そこで食べるわけだが、朝食はまだいいとして、レストランとしては機能していない。何せ客が少なすぎるのだ。客室がいつも満員近ければなりたつのだろうが。案の定、この日の夜、レストランへ行くと、開店休業状態。何も出せない状態であることを知り、同宿の西洋人夫妻とともに苦笑。結局、外へ食べに出た。
さて、朝食後、明日のジョードプルまでのバスチケットの購入をお願いにレセプションに行ったが、ここでさっそく、砂漠ツアーの売り込みが始まった。「ここ(ジャイサルメール)まで来て、砂漠へ行かないという選択肢はない」という。まあ、砂漠は見ておこうと思っていたので、サム砂丘でサンセットを見るツアーを頼む。ツアーとは行っても、車を一台用意してもらうだけだが。
10時すぎから市内観光へ出た。かつて東西交易の要衝として栄えたジャイサルメールの中心は城塞であり、城内には多くの人々が生活しており、城塞都市といった感じである。
ジャイサルメール・フォート(城) |
ジャイサルメール・フォートの城門。 |
フォートのさらに奥へ。 |
城内の小路。 |
フォートからの眺め。 |
一方、城外には、ハヴェーリーと呼ばれる、貴族や富豪の邸宅が残されており、黄金色の砂岩でできた高層住宅の全面に施されたレリーフがすごい。
ジャイサルメールの街(城外)。 |
例によって野良牛が。 |
最も豪華なハヴェーリーといわれるパトウォン・キ・ハヴェーリー。 |
パトウォン・キ・ハヴェーリー。 |
パトウォン・キ・ハヴェーリーの一室。 |
パトウォン・キ・ハヴェーリーの界隈。 |
野良豚? |
市内観光を終えてホテルで一休みしていると、約束の時間より30分も早い、15時半に砂漠へ行く車が来た。うーむこれだと、サンセットまでかなりの時間をつぶさなければならい。
客は自分一人だけかと思っていると、途中、西洋人の女性3人組をピックアップしていった。彼女たちはラクダ乗り場で車を降りた。砂漠定番のラクダツアーというやつに参加するらしい。
16時半、サム砂丘に到着。街から近いので仕方がないのかもしれないが、砂漠という感じはほとんどなし。砂の広がりもあまりないし、緑もけっこう多い。
砂漠に入るとゴミだらけ。かなりがっかりである。行ったことはないが、これなら鳥取砂丘の方か綺麗なのではないか?
一応、砂漠らしいカットを求めて歩き回った。 |
風紋らしきものも撮ってみた。 |
日没が近づくとラッシュ状態になった。そして、残念ながら曇っていて、サンセットは見られず。 |
砂丘観光を終えて、車のところに戻ると、若いドライバーは盛んに「満足したか?」と聞いてくる。すごく不安そうな顔で。チップが欲しいのだなと、すぐに了解した。客が満足しないと、チップがもらえないかもしれないから。ジャイサルメールまでの道すがら、何度も何度も、「満足したか?」とか「すべてオーケーか?」とか聞いてくるので、しまいには可哀相になってしまった。彼らドライバーは車のオーナーに安い賃金で使われているのが普通なので、チップがないと見入りが本当に少ないらしいから。
結局、ゲストハウスに到着したところで、チップを渡した。ドライバーの兄ちゃんの表情がとたんに明るくなった。
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