ジブラ-イッブ-サナア

<6日目続き>
ジブラの次はイッブへ向った。ここの旧市街にも石造りの伝統的イエメン建築が並ぶ。

ジブラとイッブはあまり離れておらず、車はあっという間にイッブの街(新市街)に入っていったと思う(当時の歩き方によると乗り合いのタクシーで25分くらいとなっているので、僕のタクシーはもっと短い時間で着いたと思う)。



イッブへ向う道で見かけた日本からの輸入車。このように日本で使われていたときの塗装のまま使うのが基本のようだ。塗装はそのままだが、ハンドルはちゃんと左側に移されている。実は僕の乗っていたタクシーもフロントガラスには日本の定期点検のステッカーが貼られており、日本のお金持ちが乗っていたベンツがイエメンでタクシーとして活躍しているというわけである。




イッブの新市街(だと思う)(mp4=1.2Mb)。




イッブ旧市街。




薄っぺらな建物が珍しくでカメラを向けると、下の方に写っている子供たちが写真を撮ってくれと駆け寄ってきた。




写真を撮り終えると、子供たちが「お金をくれ」と押し寄せてきた。そうか小遣い欲しさだったのか。ただ子供たちを振り払うだけではだめだったので、「アイブ」という言葉を連発してみた。アイブとは誇りというような意味の言葉で、大人が子供に恥ずかしいことをするなとたしなめるときなどにも使われるらしい。僕が「アイブ、アイブ」と言うと、写真に写っていない、一番年嵩の女の子(もう写真を撮られることを嫌がる年代の子)が、必死になって子供たちを押しとどめた。しかし、小遣い欲しさの子供を遠ざける作戦としてこの言葉を使ってもよかったのだろうかと、若干後悔もした。




子供たちから逃れたあと、さらに、街中へ入っていった。それで、この写真を撮ったあと、近くを通りかかったイエメン人男性から怒られた。ご覧の通り人は写っていない。なのに何故? 男性の言葉は次のようなものだった。「神聖なモスクの写真を撮るな。ここはサナアとは違うぞ」 後から知ったのだが、サウジアラビアでは人物だけではなく、モスクの撮影も厳禁だという。僕は厳しいイスラムの戒律に触れる行為をしてしまったというわけなのである。



イッブを出ると、また段々畑が広がる景色の中をサナアに向かって走っていった。


















谷底に向って段々畑が続く。どこまで続いているのか?










イッブからサナアに向かう車からの眺め(mp4=1.14Mb)。



イッブからサナアへの道中、昼食のために日本でいうドライブイン(=近年すっかり見かけなくなったような気がする)のようなところに入った。しかし、ドライバーはガラガラの駐車場の最も道路に近いところにとめた。食堂のすぐ前の駐車スペースは空いているのだが。しかし、その理由はすぐにわかった。

7up、ライス、イモなどを煮たもので、しめて380リヤル(250円弱)。それに、ドライバー氏のおごりでデザートにプディングを食べた。

食堂はかなりのお客で賑わっていたが、だんだん閑散としていった。早々に食事を終えたドライバー氏が「ちょっとお祈りに行ってくる」と言って席を立った。礼拝の時間だったのだ。そのうち、食堂の入口が閉じられた。食堂の従業員もほとんどが礼拝に行ったようだ。僕は裏口から食堂を出て、モスクの方へ行ってみた。気がつかぬうちに駐車場は満杯だ(これがわかっていたのでドライバーは礼拝終了後すぐに車を出せる場所に駐車したのだ)。また、モスクに入りきれない人もいて、外で礼拝している。

この礼拝者の多さは、イスラムの聖なる日、金曜日であるからか? それとも敬虔なムスリムの多さのせいか?

導師(?)の説教(?)がモスクのスピーカーから流れてくる。そして、礼拝。モスクの外の人々の動きで、礼拝がどのように進行しているかがわかった。

最後の「アッサーラーム・アレイクム」という声が聞こえて、モスクの中から人々がぞろぞろと出てきた。小さなモスクだが、こんなにも多くの人が、という数だ。電話ボックスの中に何人入れるか、という競争をやっているかのような感じ。

夕方、サナア市内に到着。ホテルは、96年に来た際に泊った新市街にあるホテルを選択。1泊朝食付で25ドル。ちゃんとメンテナンスされていて、気持ちよく滞在できそうだ。