アルカサルからカスティーリャ地方の大地を望む。例によって当時の『地球の歩き方』の文章は臭さ満点で(くさしてはいません)、カスティーリャのトレドのところで次のように記す。「カスティーリャとは女王イサベルの故国。赤茶けた家並みの、荒涼とした土地だが、統一スペインになった後も、首都をこのカスティーリャの古都トレドに置いたのはなぜだろう? 確かに戦略的には難攻不落の城塞都市で。(略)けれど、もっと温暖で交通の便の良いところ、これからの平和と繁栄を享受しようとするスペインの首都として、もっとふさわしいところがあったはずなのに、と思う。きっとイサベルが、自分の故郷を首都にしたい、と願ったのだろう。”見知らぬ土地に行くのはイヤ! この荒涼としたカスティーリャが私の生きるところ…”とフェルナンド(夫でアラゴン国王)に言ったかどうかはしらないが、たしかに激しい生き方をしたふたりには似合いの土地かもしれない。そのふたりも今は肥沃な南の土地グラナダで永遠の眠りについている。ボクは今、カスティーリャの大地に立って、そして彼らの休息の安らかさを願っている。あぁスペイン! 嗚呼、カスティーリャ!」
ところで現在の『歩き方』の文章はどうなっているのだろうか? そのうち確認してみよう。 |