パリでもう1日 <4日目>一夜明けると、またどんよりした空模様だった。 2日前(土曜日)に約束した10時に旅行会社に行ったが、1600フランの片道のマラケシュ行きは木曜日までないという。フランス滞在日数が伸びるとモロッコ、スペインでの予定を削減しなくてはならない。それは困るので、他の旅行会社をあたることにした。 しかし、今思うとなぜカサブランカ行きの便の利用を考えなかったのかと思う。カサブランカ行きの便の方が多いはずなので。カサブランカにはあまり興味がなく、かつ、カサブランカからマラケシュへの移動で1日つぶれてしまうことを嫌ったのか? 「マラケシュ1400」という貼り紙のある旅行会社を見つけたので入ってみる。しかし、案の定というべきか、件の貼り紙は客寄せのためのもので、自分にとって都合のよい片道のディスカウントチケットはなかった。片道だと3400のノーマルチケットのみ、明日パリを出るディスカウントチケットは3400(約8万円)で往復での販売となるという。 LCCが沢山あって、ネットで容易に片道の航空券が買えるようになった現在とは、やはり隔世の感がある。 80000円はつらい出費だが、先ほどの旅行会社で購入できる航空券だとパリ出発が2日遅れる。旅程に余裕があれば、先ほどの旅行会社に戻るのだが、2日という時間は大きいし、物価の安いモロッコに早く渡れば、それだけ旅費も節約できる。ということで、その旅行会社で航空券を購入することに決めた。帰りの分は放棄だ。 当時の小さな旅行会社はそういうところが多かったような印象だが、その旅行会社も、その場で即発券することはできず、航空券を抱えている大手とやり取りしてバウチャーを出すまで時間がかかり、17時過ぎに来るように言われた。 ということで、夕方までパリ歩き。
この後、オペラ座近くにあり、札幌味噌ラーメンを出す”ひぐま”というラーメン屋へ行った。パリまで行って、札幌ラーメン? という感じだが、札幌出身の自分はパリでどんな味噌ラーメンが食べられるのか興味があった。 当時のパリ”ひぐま”はカウンターだけの小さな店だったと思う。味は札幌で食べるそれとは随分違っていたと思うが、当時のメモにはカフェのサンドよりも満腹感は感じられたとある。 2019年、かすかな記憶を頼りに”ひぐま”に行ってみたが、店の場所が変わっただけではなく、ものすごく大きくなっていて多くのフランス人で賑わっていた。日本食人気の一端を垣間見ることができた。 さて、この後はどこへ行くか? パリと聞いて、自分がぱっと思い浮かべられる名所は、ノートルダム大聖堂、ルーブル美術館、ベルサイユ宮殿、モンマルトルの丘、エッフェル塔、印象派美術館くらいだった。 ということで、昼食後、モンマルトルの丘へ向かった。
この後、コンコルド広場近くにあり、当時印象派美術館と呼ばれていたジュ・ド・ポーム国立美術館へ行ったが閉館中(メモには改装中だったと書いてある)。今思うと、5年前の古い『歩き方』を持って行ったのが大失敗で、印象派画家の絵を見に行ったのだが、印象派の作品は1986年にオルセー美術館に移管されていたのだ。
この後、エッフェル塔に移動。
さて、エッフェル塔まで来たが、せっかくだから最上階まで昇りたい。しかし、リフト(エレベーター)代49フラン(約1300円)という金額を見て、最上階まで行くのをためらってしまった。メモには「モロッコへの飛行機代3000フランが響いている」と書いている。極端に切り詰めた旅をしていたわけではないのだが、そういう気分だったようだ。 塔を少し離れたところから見ようと、10分ほど歩いてから撮ったのが上の写真だが、メモには、この写真を撮ったあたりで、やはり塔に昇りたくなったとある。 時刻は16時すぎ、旅行会社には17時すぎに行くという約束をしている。約束の時間に遅れる可能性があるので、さらに迷ったようだが、結局、最上階に登るリフトのチケットを購入して列に並んだ。
メトロを乗り継いで旅行会社に着いたのが17時20分ころ。ここから1時間ほど待たされ、ようやく航空券のバウチャーを受け取った。 |