五山の送り火・室生寺・当麻寺(2024.08)
室生寺の次に向かったのは当麻寺(たいまでら)。

普通、室生寺へ行く観光客はその前か後に同じ沿線の長谷寺に行くのだが、長谷寺は割と最近訪れている(と思っていた)ので、今回は寄らないことにした。しかし、この旅行記を作成するにあたって改めて調べてみると、長谷寺を訪れたのは何と9年前だった。旅から遠ざかるを得なかった時期を挟んでいるので、9年前とはいえ5年前くらいの感覚になっていたようだ。

当麻寺には高校時代一度行っている。当時、お寺の古い塔(現代に再建されたものではないもの)に関心があり、当麻寺は創建時の東西両塔が現存する唯一の寺院ということで行くことにしたのを覚えている。

ということで、今回も東西両塔が目当てである。

室生口大野から大和八木に移動し、そこで橿原神宮前行きに乗り換え、さらに近鉄南大阪線の電車に乗り継いだ。橿原神宮前駅での乗り継ぎ時間がけっこうあったので、八木駅の売店で柿の葉寿司を買い、ホームでかじって昼食とした。

13時半ころ当麻寺駅に到着。駅から寺までの距離は1キロ弱。



当麻寺への道。二つの塔が見えてきた。




何かの工芸品の店だったか?




古い民家の瓦に大黒天があり興味深かったので1枚。




当麻寺山門。山の中に建設された寺院のお堂は地形に応じて配置されるが(この日訪れた室生寺が好例)、この寺は平らな場所があるのにもかかわらず少し変わっていて(向かって左側は山だが)、二つの塔は山門と本堂とを結ぶ線上の両側にはない(これは現本堂が後から伽藍の中心になったらしいことと関係しているっぽい)。ただ、東西両塔、金堂、講堂の位置関係は定型的な伽藍配置と同じなのだが、塔がわざわざ山に建てられているし。。。



当麻寺は少し変わった寺院で真言宗と浄土宗の塔頭寺院があり、それらが年番で住職を出し本堂、金堂、講堂などの管理を行っている。そういえば当麻寺のホームページというものはなく、各塔頭寺院がホームページを持っており、それぞれのページにその塔頭寺院の説明とともに当麻寺の説明がある。

当麻寺の拝観券に記された文章によると、7世紀初め推古天皇のときに萬法蔵院禅林寺として草創され、7世紀後半天武天皇の時代に金堂、講堂、東西両塔などが造営され寺号も当麻寺と改められたとか。7世紀後半の建築物は残っていないが、その時代(白鳳文化期)の文化財はいくつか残っている。



日本最古の梵鐘(白鳳時代、国宝)。山門をぐぐったところでいきなり国宝が登場。




左が金堂、右が講堂、中央が本堂(曼荼羅堂)。金堂は鎌倉時代の建立で本尊の弥勒仏は白鳳時代の仏像で国宝。本堂内陣・厨子(天平時代)や須弥壇(鎌倉時代)が国宝で、室町時代に作られた曼荼羅が当麻寺の本尊として祀られている。この曼荼羅(文亀曼荼羅)は、天平時代に藤原不比等の孫中将姫(中将法如)により蓮の糸を使って織りあげられたと伝えられる蓮糸曼荼羅(根本曼荼羅、国宝、現在は非公開)を室町時代(文亀年間)に転写したもの。




本堂外陣から金堂、講堂を望む。




本堂の外陣から出てから、一つ上の写真と同じ構図で。




東西両塔が見える場所。しかし、もっとよく見える場所がある。




西南院と西塔。




西南院の前に咲いていた蓮の花。




西南院の見晴らし台からの眺め。奥の東塔が天平時代、手前の西塔が平安時代初期の建立。塔の建設時期がずれているのは、建築の計画は同時であったが、当麻寺は国家的寺院ではなく当麻氏という一氏族によるもので経済的な問題から同時着工とはならなかったからだとか。




西南院庭園と西塔。




西南院庭園。




西南院庭園。




金堂の裏手というか本来は表側だと思うが、そこにある最古の石灯籠。




同じ石灯籠を金堂を背に撮ってみた。




中之坊庭園。




中之坊のお抹茶席(だと思う)。




茶室。




中之坊庭園と東塔。




中之坊と庭園。




当麻寺の拝観を終え当麻寺駅へ向かいます。




当麻寺駅。各駅停車しか停まらない駅で20分に1本の停車だったか?



近鉄で阿部野橋駅に出て地下鉄で梅田まで移動。梅田からは阪急で蛍池まで行き、モノレールに乗り換えて伊丹空港へといういつものパターンの移動。コロナ禍以前、普通の旅行、コンサドーレの応援、仕事などで関西には割とよく訪れており、JALに囲い込まれてしまっていることもあり、新幹線よりも航空機の利用が多かった。そんなわけで伊丹空港へのルートは通い慣れたルートという感じになっていた。蛍池から空港までは歩いて20分くらいの距離で、気分を変える意味もあって何度か歩いており懐かしい道だ。しかし、酷暑なので今回はモノレールを選択。

空港に着くと同時くらいにJALからメールが来て、搭乗予定の新千歳行きが機材のやり繰りができず欠航になるとのこと。

天候には問題がなく何かあったのか? と思っていたが、後から得た情報によると、この日、新千歳空港のセキュリティーチェックを受けて入るエリアの売店でハサミを紛失し、そのハサミの探索のため、数時間セキュリティーチェックが停止され、ダイヤが大幅に乱れていたのだ。

伊丹空港は騒音問題から夜遅い発着はできず、自分の搭乗予定の便は、伊丹には飛んでこれないということのようだった(着陸はできても出発はできないということのようだった)。

幸い夏季は伊丹-新千歳便が1便増便されており、自分が乗る予定の19時発の便の前の便(増発便)に空席があったので、すぐに変更。お盆明け直後の土曜日に関西から北海道へ向かう乗客は意外と少なく、当初搭乗予定だった便は空席が多く、変更した便にもそこそこ空席があったのだ。ただし最終的には満席になったようで、欠航に気が付くのが遅かったら帰宅が1日お遅くなったかもしれない。



変更した便も新千歳からの機材なので、当然到着は大幅遅延。出発も遅れたのだが、そのうち搭乗便のボーディングブリッジ越しに花火が上がった。空港に行く際乗車した阪急宝塚線には浴衣姿の乗客が目だったが、調べてみると、この日は猪名川の河川敷で花火大会が開催される日で、その見物が目的の人たちだったのだ。










花火大会がクライマックスを迎える頃、ようやく搭乗開始のアナウンスが流れた。



終わり。