五山の送り火・室生寺・当麻寺(2024.08)
2024年8月、母の新盆である。

毎年、京都では8月16日の夜、五山の送り火という行事が催される。京都の東北から西北の山に、東から順に、大文字、妙法、舟形、左大文字、鳥居形の送り火が灯され、お精霊(しょらい)さんと呼ばれる死者の霊をあの世に送り届けるとされている。

五山の送り火は過去に4度見に行っており、思い起こすと父の新盆の年にも見に行っている(その時は嵐山で鳥居形の送り火を見た)。

ということで、札幌での墓参の後に京都へ行くことにし、割と早目に航空券とホテルを確保した。

8月16日の昼頃の便で新千歳から関空へ飛び、まずはJRの特急”はるか”で京都へ移動。京都に行くには伊丹空港からの方が近いのだけれど、伊丹便よりすいていて予約しやすいのと、”はるか”で乗り換えなしで、またグリーン車(安いわけではないけれどとんでもなく高いわけでもない)でゆったりと京都にアクセスできるのとで、新千歳からの場合関空便を利用することが多い。この日は京都からJR奈良線に乗り換え東福寺へ、さらにそこで京阪に乗り換え祇園四条まで移動。この段階で16時近くになっていたか?

まずは四条河原町の高島屋の地下食料品売り場へ向かう。相変わらず、極力レストラン・食堂での食事は避けており、ホテルで食べる弁当を買うためである。それから、そこでは京都らしい季節ごとに特徴的な弁当が買えるというのも気に入っている。

ホテルは京都御所まで1㎞くらいのところにとった。今まで送り火は出町柳駅近く(賀茂川と高野川の合流点)で2度、嵐山で1度、広沢池で1度見ているが、賀茂川と高野川の合流点は如意ヶ嶽の大文字はよく見えるが酷く混雑する、嵐山と広沢池は京都の中心部から少し遠いということで、今回はアクセスが容易、そんなに混雑しないであろうということで京都御所から見物することにしたのだ。

ホテルの部屋で夕食をとった後、18時半ころ京都御所へ向かった。

この夏も京都は連日酷暑で35度越えの日が続いていたが、この日はかなりましで、風が涼しく感じられるほどだった。



目的地は京都御所だけれど、もしかしたらもってよい送り火の見物場所があるかもと思い、鴨川の河川敷を歩いた。しかし、山が近いのでかえって見通しが悪く、そんなによい見物場所はなかった。




ところどころに、建物と建物の間とか、木々の間とか大文字が見られる場所があり、シートを敷いて河川敷に座っている人たちがいた。ちなみに上の写真は南東方向を撮ったもので、送り火がともされる方角ではありません。



もっと鴨川散歩に時間がかかるかと思ったが、19時10分くらいには京都御所の送り火が見える場所についてしまった。如意ヶ嶽の大文字の点灯は20時なので、けっこう長い時間待たなければならない。



京都御所の敷地。正面の山が如意ヶ嶽で、この写真だとわかりにくいが、木がない斜面が見える。見ての通り敷物持参で送り火を見に来る人たちも。




20時、大文字が点灯された。最初はチョロチョロという感じだが、すぐに火が大きくなり最初は煙も見え、やがて煙が減り(実際に減っているのかはわからない)火が安定する。人は多いが、ものすごい混雑という感じではないので、点灯時刻に合わせて行けばよかったと思う。




例によって母の写真を持って行ったが、死者の霊を送るための行事なのに、それを母と一緒に見る形になり、かなり変な感じだなあと思いながら眺めていた。



10分くらい京都御所から送り火を眺めた後、ホテルへまっすぐは帰らず、いったん鴨川沿いに出た。橋の上から「妙法」の送り火が見られるかもしれないと思ったので。しかし、「妙法」はけっこう低い場所で灯されるので、文字の上部のほんの一部分が見える程度だった。