パトネス・デ・アリーバ


<10日目>


朝のアルバラシン。



テルエル行のバス(8時55分)で3人の日本人と一緒になった(ドイツから来ている御夫婦と日本からの一人旅の男性)。まだ、『地球の歩き方』にはページを割いての記述はないのではと思うが(未確認)、アルバラシンは日本人に人気の村になったのだろうか? 

御夫婦とは実は前日のバスでも一緒になったのだが、日本人という確信が持てず声をかけられなかった(香港あたりから来ているカップルかもと思ってしまった)。

バスはアルバラシンより奥からたくさんの小学生を乗せてやってきて、テルエルへ向かうルートにはのらずに小学校へ向かった。子供たちを降ろした後、テルエルへ向かうルートに戻り。8時45分ころテルエルのターミナル到着。

ドイツからのご夫婦は前日マドリードからバスでテルエルに来たので、時間がなくてテルエルの街は見ておらず、10時40分(?)のバレンシア行きの列車に乗らなければならないということで、街の様子を把握している自分が案内しがてら、テルエル駅へ向かうことになかった(前日観光を済ませていたことが役に立った)。一人旅の男性は午後のバスでマドリードへ向かうということで、時間つぶしをするため別行動となった。

御夫婦を見送った後、駅で時間をつぶし、12時02分発の列車でサラゴサへ(若干遅れて12時8分発)。

サラゴサからは14時51分発のAVEに乗車し、16時10分ころマドリード到着。



テルエル駅からサラゴサへ向かう列車の車窓。



アトーチャ駅からは街をブラブラしながらプエルタ・デル・ソルまで出て、前日ネットで予約しておいたホテル(ペンション)にチェックイン。



木の階段がかなりすり減った年季の入った建物に入ったペンションだった。



部屋に荷物を置くと、すぐにマヨール広場へ向かった。ここのツーリストインフォメーションでこの旅最後の目的地パトネス・デ・アリーバへの行き方を確認するためである。

マヨール広場は相変わらずの賑わいで、腹の出たスパイダーマンも健在だった(ますます太ったか?→写真はありません)

インフォメーションで尋ねるとグーグルマップの経路検索で調べてくれた。どうやら聞かれてパッと答えられるような有名な場所ではないようだ。しかし、その程度の下調べはすでにしている。できればバスを降りてからのルートとかを確認したかったのだが。



小腹がすいたので、マヨール広場近くのサン・ミゲル市場を改装したフードコートへ行きタパスなどをつまんだ。




ソルの周辺の通り。夏になると写真のような日よけの布が張られる。



<11日目>
朝のうちにホテルを移った、というか、まだチェックインは出来ない時間なので、この日泊るホテルへ行き荷物を預かってもらった(最終日の分は予約してあったので移らざるを得なかった)。

さて、パトネス・デ・アリーバである。

この街というか村はNHK‐BSプレミアム『岩合光昭の世界猫歩き』という番組で知った。日本を出る前に少し調べたところ、近年、マドリード市民の週末にお出かけ先としてけっこう人気らしい。ただ、基本自家用自動車で出かける場所らしく、公共の交通機関でのアクセスはとても不便だ。

まず、ソルから地下鉄でプラサ・デ・カスティーリョに移動。ここには近郊路線のバスセンターがある。

11時発の197番のバスで出発(土日と平日ではダイヤはだいぶ異なる)。

降車するバス停はパトネス・デ・アバホ(patones de abajo)。乗車する時に運賃を払うというシステムで、運転手に「パトネス・デ・アリーバ?」と言って、パトネス・デ・アリーバへ行きたいのだということをアピールしつつ「パトネス・デ・アバホ」といってお金を出すと、すぐに了解してくれて、そこからは徒歩だよと、人差し指と中指を使って教えてくれた(指を下に向けて交互に前に出す感じで)。

バスの中は何となく賑やかな感じで、何か懐かしい感覚だ。そうだ、小学生のころ遠足という名前の貸し切りバスでの遠出の際、車中で感じた賑やかさだ。スペイン人は友達・家族同士おしゃべりをするのだ。でも、まったくうるさい感じはせず、何か懐かしくよい感じだった。

最初、道が渋滞したこともあって、パトネス・デ・アバホには15分くらい遅れの12時30分頃到着。

ここからパトネス・デ・アリーバまでは徒歩だが、バスで来ている人はとても少なく、自分以外には4~5人が降りただけだった。

ここで降りた他の乗客もパトネス・デ・アリーバへ行く感じだったが、バス停のあたりからなかなか動かない。ということで、彼らを道案内代わりにすることはできず一人で歩き出したが、遊歩道のようなものがあることがわからず、車道を歩いていった。13時ころ村の入口近くに着いたが、さきほど同じバスを降りたグループが既に村の入口に着いていた。どうやらかなり遠回りをしたみたいだ。

村にはレストランが沢山あり、昼食をとってから散策をと思ったが、けっこう高い。こんなところで貧乏性がでてしまい、昨日、今日の朝食用に購入し、食べ切れずに残したパンがあるので、あとでそれをかじることにして歩き出した。



パトネス・デ・アリーバへのぼって行く途中、今しがたバスでやって来た道の方を見る(右の方から来た)。




パトネス・デ・アリーバ。こんな感じで石造りの家が並び、その間を石畳の道が通っている。






両サイドの建物はレストラン。村の中には至る所にレストランがある。




この日見られた数少ない猫。『世界猫歩き』で取り上げられた村なので、猫がけっこういるらしいのだが、観光客でかなりざわついた感じだったので、猫も気ままに歩けない状態だったのだろう。この猫たちはある家の人が餌を与えるところだったので集まってきたようだった。




観光客が歩いているのが見えると思う。他の写真には観光客が映っていないが、それは人が通り過ぎるのを待って撮ったからで、こんな感じでけっこう多くの観光客が訪れていた。






こんな感じの山間の村だ。










村の入口の写真を撮っていなかったので、帰りがけに1枚。今度はあまり人のいないであろう平日に行ってみたい(ちなみにこの日は土曜日)。しかし、客の少ない平日、沢山あるレストランはどうしているのだろうか。




メインロードに通じる歩行者用の道。この道をのぼって来るべきだったのだが。



14時20分ころ下り始めた。この時間帯、マドリード方面へ向かうバスはないので(17時くらいのバスがあったか?)、当初はタクシーでトレラグーナまで移動して、そこからバスに乗ろうかと考えていた。しかし、パトネス・デ・アバホにタクシーがいる感じではないし、呼ぶにしてもスペイン語がダメだ。

ということでトレラグーナまで歩くことにした。グーグルマップによると、パトネス・デ・アリーバからトレラグーナまでは7キロ(車道利用)ということなので、パトネス・デ・アバホからだと5.5キロくらいか?

時計は14時30分をさしている。乗れそうなトレラグーナ発マドリード行きのバスは、15時30分、その次は17時だ。でも15時30分は微妙か。



パトネス・デ・アリーバへの道を振り返る。左が車道で右が遊歩道に通じる道。先ほど、自分は左の道を選択してしまった。




遠くに別の村が見える。




歩道はない。車はかなりのスピードで飛ばす。路肩が狭いところもあってけっこう怖い。



最初は17時のバスでもいいかと思って、パンをかじったり写真を取ったりしながらのんびり歩いていたが、途中から早くマドリードに戻ってゆっくりしたいという気持ちが勝ってきた。ということで、炎天下少しずつゆっくりと走った。(気温はたぶん30度程度、湿度が低いのでそれほどきつくはなかった)



トレラグーナの街が見えてきた。時刻は15時20分。バスの発車時刻までは10分しかない。街は近くに見えるが、実際の距離はけっこうあるはずだ。ということで、ここから走る時間を大幅に増やした。



トレラグーナの市街地に入ったのは15時30分直前。バス停はわからない(この街は来るときに通っているのだが、マドリード方面とパトネス・デ・アダホ方面のバス停が違う通りにある感じもする)。
やはり駄目かと思ったとき、バスが僕の横を通り過ぎて行った。しかし、バスにかなうわけがないのにバスを追いかけて走った。すると向こうにバス停があって、けっこう長い列が。助かった乗れる。乗車時に運賃を払うシステムで(ICカードも使えたか?)、乗車客をさばくのにけっこう時間がかかるのである。

ということで、無事乗車できた。

トレラグーナもなかなか良い感じの古い街なので、今度マドリードに行ったときに出かけてみようかと思う。


<12日目>



朝(8時半頃か?)のプエルタ・デル・ソル。




朝のすがすがしい空気のなか、アトーチャ駅まで歩いた。






アトーチャ駅が見えてきた。ここから電車で空港へ向かう。



                   終わり