丹巴

<5日目>
カップ麺の朝食をとったあと、6時40分、チェックアウト。また、丹巴のホテルとは違い、ホテルの人がレセプションのカウンター内で寝ていてくれているので、無理やり起こす感がなくてよい。

この日は7時の丹巴行のバスで移動。チケットは前日のうちに購入している。

バスに乗車して発車を待つが、何か問題があって発車できない。まさか原因は自分にあるとは思っていなかったが、ドライバーが半券を切り取ってもらったかという感じのジェスチャーをしながら色々と話してくる。ちゃんと乗車時検票口(乗車券をチェックするところ)で半券を切ってもらい、パスポートのチェックを受け、座席番号もノートに書いていたのに。。。

どうやら人数が合わないと言っているようだ。おそらく中国人はIDカードのICチップを読み取り自動的に乗客数がカウントされるのだろうが、パスポートはそうではないので、実際の乗客数と検票結果が合わず、それで騒いでいたのだろう。厳しく統制している地域で、人の出入りの確認は厳重に行うよう上からお達しがあるのか?

ドライバーが何度かターミナル内の係員のところへ行ったり来たりした後、問題がないことがわかったようで、7時10分出発。

9時10分、炉霍で小休止。

この後、隣の席の高橋大輔似の兄ちゃんが急にぐったりしてきた。危険な感じだ。バスの通路にゴミ箱代わりのバケツがいくつか置いてあったので、それを渡すと気分悪そうに唾をはいていた。それでおさまってくれればと思っていたが、やはりそれは甘く、少しの時間をおいて緊急事態が発生。

兄ちゃん、自分の方をたたいてバケツを取ってくれというジェスチャー。素早くバケツを渡すと、その瞬間。。。(自粛)。。。

ほんの少しだが、兄ちゃんがさっき飲んでいたジュースの香りのするとばっちりを。。。

前日の乗り合いタクシーもそうだが、こっちの人は乗り物に弱すぎ。

しかし、兄ちゃん、この後は落ち着いたようで、丹巴到着まで何事もなかった。

10時45分~11時10分くらいには、道俘のターミナルで食事タイム。自分はここでは食事はとらなかった(メモがないので、はっきりとはしないがカロリーメイトでもかじっていたか?)

14時40分ころ丹巴(たんば=dan ba)に到着(バスターミナルまで行く前の橋のところで下車)。また、托西卓康青年旅舎へ。また来たということで歓迎を受ける。

丹巴(この地域はギャロンというらしい)は四川省のガンゼチベット自治州に属しているが、チベットの中では特異な文化を有しているらしい。その文化については何にも知らないのだが、家々やあちこちに残る塔がその特徴を示すものらしいので、ここで少しだけ観光していく予定。

ただ、公共の交通が不便なので、効率的に回るにはタクシーのチャーターが必要とのこと。

15時半ころ、塔のある風景が見られる梭坡(さは)へ行こうとレセプションで尋ねる。タクシーを勧められるかと思っていると、ホテルの若奥さんは「この道をまっすぐ4キロ」と言って教えてくれる。

途中で買ったポテトチップスをかじりながら歩く。天気がよく気持ちが良い。



斜面には、この地域の伝統的建築様式の家々が(画像が小さくわかりにくいですが)。




サバへの道中見かけた、岩の描かれた仏。




梭坡の塔。斜面の土砂崩れを防止するためか、緑のネットが敷かれていてあまり美しい景観ではない。山の上の方まで登れば、沢山の塔を見下ろすことができる場所があるかもしれないが(どうやら途中の分岐点で山に登っていく方を選択していたらビューポイントに行けたっぽい)、このあたりで丹巴の街へ戻ることに。しかし、川の対岸側から望んだ方がよい景色だったかも。




丹巴の街に戻ってきました。



<6日目>
9時少し前、翌日の成都行のチケットを買うためバスターミナルへ。

チケット売り場の担当者が不在だったので、窓口から少し離れたところで待つ。

担当者が来ると、自分より後に来た西洋人と中国人が我先にと窓口へ。この西洋人旅行者けっこう中国流になじんでいるなと思ったが、先に並ぼうとした若い中国人男性が僕に気付き、あなたの方が先に来ていたからという感じで前に入れてくれた。中国も確実に変わりつつあるようだ。

バスのチケットを買った後はホテルの前に戻り、タクシーさがし。タクシーで巴底、甲居蔵寨をまわろうというわけだ。

2年前の『歩き方』にある金額を参考に値上げを考慮すると200から250くらいで行けそうと踏んでいたが、一台のタクシーの運ちゃん聞いてみると「300」という。高い。

するとタクシーとの交渉を遠巻きに見ていたおっちゃんが声をかけてきた。白タクらしい。しかし、このおっちゃんも「300」という。「300」が相場なのだろうか?

「260」までは下がったが、これ以上は無理そう。ということで「260」で妥結(ただ、言葉の問題で、あとあと、結局、300になってしまう)。



白タクのおっちゃんは梭坡近くのホテルを経営している人らしく、携帯を取りに行くため、ちょっとそのホテルに寄ってから観光出発(立派なホテルだった)。観光業を営んでいるため、この辺の景色のよいところは頭に入っており、こっちがお願いしなくても景色の良い所で車を止めてくれる。その一つがこれ。対岸の伝統的建築の並ぶ集落が興味深い。




巴底。とうもろこし畑越しに集落を望む。背の高い建物は領主の館(だと思う)。




領主の館。入場無料(そのうちここもというかこの集落も入場料がかかるようになるのだろうか?)




上とは逆の方向から撮影。チベット仏教に取材した絵か?




さっき遠目に見た塔。




崩壊寸前だ。




花が綺麗だったので、ちょっとカッコつけた写真を。




梨。




古い家を利用した博物館。ここでは管理をしているらしいおばあちゃんに10元(だったか)支払い。




あちこちに描かれている絵が興味深い。




上の写真をクローズアップで。






生活用具などを展示している。








ここにも絵が。




大量の唐辛子が。






集落内の道。




集落の駐車場から領主の館方面を望む。




ちょっとわかりにくいが、山の上の方にも家が点在している。




おっちゃん、甲居を素通りしようとしたので、「甲居は?」と言うと(というか道しるべを指さした)、「甲居に行くなら300だ」と言い始める。「さっき、地図でここ=巴底とここ=甲居って言ったじゃん!」しかし、おっちゃん、がんとしてきかず。どうも、街と巴底の往復しか引き受けていない。さっきはこのルートを指でなぞっただけだと主張しているよう。彼が首を縦に振らなければどうしようもない。甲居はホテルも増えて開けすぎという感じもしたが、念のため寄っておきたい。ということで、300でいいよと言って、甲居への上り道に入ってもらった。ただ、ここは入場料のかかる村で本来50元が必要なのだが、おっちゃん入場料はいらんからと言っている。まあ、別に彼の力ではなく、先に巴底に行ったので、通常とは異なり集落の裏の方から入る形になったからなのだが。で、甲居だが、寄らなくてもよかったかなという感じ。



丹巴は川に沿ってできた街で、泊っているホテルは街の東端にあるバスターミナルには近いが、街の繁華なところからは遠い。

甲居からの帰りは繁華街に近いところで車を降り、食堂で麺を食べてからホテルに戻った。



ホテルへ戻る道すがら撮った写真。足場が組まれているが、この街では建物の塗りなおしが全面的に行われており、足場はそのためのもの。民族衣装の女性もけっこう見かけた。



食事後、ホテルに戻ると問題発生。腹が痛くなり下痢。今食べたばかりの麺が原因ということは考えにくい。朝食替わりに食べたゴマのペーストみたいのが挟まれた煎餅(前日街のスーパーで購入)が悪かったか? ゴマのペーストみたいのが変質していたのか?

軽い下痢ですめばまだよかったが、だんだんムカムカしてきて、結局、夕方には嘔吐。

嘔吐が止まったあとも、胃酸が出すぎてむかつきがひどい状態。それに微熱も加わって、けっこうまずい状態。この状態で、7~8時間もバス移動するのはきつい。



具合は悪かったが、ホテルの部屋から見える橋がライトアップされて綺麗だったので1枚。



<7日目>
結局、一睡もできないまま朝を迎えた。

むかつきはおさまってくれたので、何とか大丈夫そうだ。

7時半前、例によって寝起きは機嫌のあまりよくない若奥さんを起こし、チェックアウト。

8時のバスは10分遅れで出発。

バスの構造はちょっと変で体調がよくないの酔うかも。

どんな構造かというと。運転席が1階、座席が2階という感じなのだが、客席はフラットではなく、運転席の上の部分(2列)だけが高く、その他の席は一段低くなっている。つまり前の2列の客だけが前方の様子を見ることができて、後の席の客は前の方が見えないのだ。窓側の席の客は斜め前方が見えるが、自分の席は通路側なので、窓側を見るとやや目が回り気味になる。

一応、トイレがついているが、鍵がかかり使えない状態。客に使わせるとたいへんなことになるからだろうか。

前日、嘔吐前に(そんなに悪くなると想定していなかったので)バス内でつまむためにポテトチップスとかを買っておいたが、下痢が怖いので、それには手をつけず、たまに水をチビチビ飲むだけにしておく。

15時10分ころ、思ったより早く茶店子バスターミナル到着。地下鉄で新南門に移動して、ミセス・パンダ・ホステルにチェックイン。



小休止。奥の大き目の建物の前に止まっているバスが自分の乗っていたバス。




成都の地下鉄の切符。ICカードタイプだが、これは毎回回収口に投入する。




成都の中心部。大都会だ。



体調がだいぶよくなったので、武候祠博物館にでも行こうかと街へ出たが、地図も持たずに出たのので、日が暮れてしまいたどり着けず。ちゃんとした食事をとっても大丈夫という状態ではなかったので、昨日買ったポテトチップスで空腹をまぎらわしてから就寝。