やっぱり雨にたたられたチンクエ・テッレ 随分前から気にはなっていたイタリアのチンクエ・テッレ(5つの地域という意味で、モンテロッソ・アル・マーレ、ヴェルナッツァ、コルニーリア、マナローナ、リオマッジョーレの5つの村が海沿いに並んでいる)。しかし、自分の旅の関心がイスラム圏とか途上国とかに向いていたため、なかなか旅の目的地候補にはならなかった。ただ、昨今の治安情勢とかでイスラム圏への旅が減り、ヨーロッパへ行く回数が増えるなか再びチンクエ・テッレにも関心を持ちはじめていた。そんななか見たのが、NHK-BSで放送されている「岩合光昭の世界猫歩き」 この番組でチンクエ・テッレが登場したのだ。番組での主役はもちろん猫なのだけれど、映像を見ると、街はやはりなかなかの雰囲気で、そろそろ行ってみるかという気持ちになっていた。 チンクエ・テッレ観光のベストシーズンは夏なのだろうけれど、人気観光地なのでホテルもとりにくく、第一人だらけだろうということで、あえて12月に行くことにした。 ところで、冬は混雑しないというメリットがあるのだが、問題は天候である。雨の日が多くなるのだ。出発の1週間くらい前から毎日のように天気予報サイトを見たが、雨マークだらけで中には豪雨の記述も。テンションがだだ下がりである。しかし、航空券のキャンセル料を払うのも惜しいので、予定通り出発した。 <1日目> この日はミラノ泊。
<2日目> 朝、チンクエ・テッレに向けて移動開始。 まず、イタリア国鉄のインター・シティでジェノヴァまで行き、そこからローカル列車に乗り継ぎ、この日の宿泊地レヴァントまで行った。(レヴァントはジェノヴァ方面から鉄道で行くとモンテロッソ・アル・マーレの一つ前の街)
ホテルに荷物を置いた後、さっそくチンクエ・テッレの村めぐりへ向かう。 セストリ・レヴァンテ-ラ・スペツィアの区間はローカル線とはいえ、一大観光地のためか上り下りともに1時間に1本の列車が運行されており、けっこう便利である。 最初の目的地はヴェルナッツア。レヴァントの駅に着くとラ・スペツィア行きがすぐ来たので飛び乗ったが、これが失敗。日本でいう快速のような列車でヴェルナッツァを通過してしまった。仕方がないので次に停車したコルニーリアで降りて、セストリ・レヴァンテ方面に向かう列車に乗車。 ヴェルナッツァでは港まで出た後、もときた道を戻り、観光用に整備されたトレッキングロードに少し入り、港が見渡せる場所まで行ってみた。トレッキングロードに入るにはチケットが必要なはずなのだが、チェックポイントは無人だった。
ヴェルナッツァの後はマナローナへ向かう。ヴェルナッツァよりもずっと小さな村だが、村に電灯がともされる夕暮れ時の雰囲気がよいらしい。
<3日目> 前日は雨には降られたものの、それほどひどくはなくヤレヤレという感じだったが、この日は未明から雨風がひどかった。天気予報サイトの「豪雨」という予報が当たってしまったわけだ。 まず、リオマッジョーレに移動。この日は少し奮発してリオ・マッジョーレの港に隣接する部屋をとっていたのだ。ある種の民泊で、部屋のオーナーに会って鍵を借りて泊るという形式をとっている。民泊の類なのだが部屋は完全にホテル風に改造されており、古い建物の1棟すべてが客室というもの。 豪雨のなかレヴァント駅まで出て、列車でリオ・マッジョーレまで移動。駅からそのオーナーの持っている建物まで行き、ドアのブザーを押すと、それがオーナーのスマホに呼び出しがかかるという、なかなかすごいシステム。 しかし、あらかじめメールで教えてもらっていた建物がなかなか見つけられず。近くのレストランで宿の名前を告げると、その宿やオーナーのことを知っていて、複数の建物を同じオーナーが運営しているとのこと。そして、上で書いたブザーを押すとスマホに呼び出しがかかってオーナーがやって来ることも知っていた。 ドアのブザーを押すとほどなくオーナーがやってきた。そこに入るのかと思っていると違う建物に案内された。部屋からは海が見える。シーズオフでも人気で予約が難しいというのも納得の宿だ。
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