トカットからアンカラへ

トカットから先の旅程はきっちりとは決めていなかった。

ただ、カッパドキアからイスタンブールまでの航空券は買ってあり、それに合わせてカッパドキアとイスタンブールのホテルは予約してから日本を出た(ホテルも行きあたりバッタリで決めるのが好きなのだが、ホテル予約サイトで予約した方が安く泊れることが多いので、近年の旅は行きあたりバッタリ率が大幅に低下している)。

当初はトカットから黒海沿岸の中心都市であるサムスン(観光地ではなく、『地球の歩き方』にもまったく記述がない)まで出て、そこからスィノップに行き、カスタモヌあたりを経由してアマスラに出て、その後、サフランボル、アンカラ、カッパドキアと移動しようかと思っていた。

サムスンは88年の旅で宿泊した思い出深い街なので、何とか寄りたかったのだが、このルートをとると、どうもカッパドキアに1泊しかできなさそうなことがわかった。インターネットでバスの時刻まである程度ならば調べられるようになり、スィノップ-カスタモヌ-アマスラ間のバスの便があまりよくはなさそうということがわかってしまったのである。現地に行ってみなければ詳細はわからない、という昔の旅ならば、「取り敢えず行ってみよう。もし、うまく行かなかったら、どこか一か所をカットだ」という判断になったのだろうが。インターネットの普及は旅を面白くしたのか、面白くなくしたのか。。。

色々と考えた結果、確実にアマスラ、サフランボルに行くため、トカットからいったんアンカラに移動することにして、バス会社のオフィスで12時発のチケットを確保した。



ホテルの窓から見た、トカットの街。手前の建物はタシュハン。



9時半ころホテルをチェックアウトして、バックパックを担いで街歩きに出た(30ℓのバックパックなので担いでの観光もそれほど苦にはならない)。



とある薬局で見かけた猫(単に世話をしているだけなのか、飼っているのかは不明。世話をしているだけという場合がトルコでは多いような印象だが)。




メヴレヴィーハーネ。17世紀に建てられたメヴレヴィ―教団の修道場だが、現在の建物は19世紀に建て替えられたもの。現在は博物館になっている。入場無料。




メヴレヴィーハーネから見た時計塔。




メヴレヴィーハーネの2階にある旋舞場。人が入るとセンサーが感知して電灯がつき人形がグルグルと旋舞を始め、一定時間で人形が動きを止め電灯も消える。



トカットの街の残る古そうな建物その1。『地球の歩き方』には100年以上の歴史をもつ建物によく出会うとあるが、これはどれくらいたった建物だろうか。




古そうな建物その2。



街歩き後は、バス会社のオフィスに行き、例によってセルビスでオトガルまで運んでもらった。



トカットから乗ったバス。木目調の床が流行?




小休止。手前がアンカラ行き。奥がトカット行きで、やや遅れてやって来た。同じバスに乗っていたトルコ人のおばあちゃんが「どっちがどっちかわからないねえ」という感じで、話しかけてきたので(もちろんトルコ語で)、こっちがアンカラ行きですよと(身振りで)教えたら、うなずいていたので、たぶん、想像通りの疑問をぶつけてきたのだと思う。このおばあちゃん、バスに乗るときも、僕にチケットを見せて座席の場所を尋ねてきた。僕は一応トルコのバスチケットの味方を知っており教えてあげたので、頼りにしてくれたのかも。




18時20分ころ、暮れなずむアンカラのオトガルに到着。アンカラではオトガルがセルビスを運行しており、上の写真に写っているバスはそのセルビス(バス会社のセルビスは通常ミニバスといって、15人くらいしか乗れないワゴン車のような車)。いくつかの行先がある。



アンカラは勝手知ったる街でなので、暗くなってからの到着でも問題はない。ホテルは新規開拓も考えたが、何度も滞在しているウルス地区にある、何度か泊ったことのあるところを、前夜ネットで予約しておいた。シャワー・トイレ付の小奇麗な部屋が1泊2500円弱(もちろん朝食付)。首都だが、この地区の物価はまだまだ安いようだ。