ラパスでYがウユニのホテルの予約をしておいたので、ウユニ駅には現地の旅行社の出迎えが来ていた。『地球の歩き方』には安ホテルしか載っていないが、中級ホテルということだった。ホテルの名前はMAGIA HOTEL。
Tさんとは駅前で別れ、車でホテルへ向かう。とはいっても徒歩圏内である。ホテルの玄関は当然開いてなく、ドライバーがホテルの人を起こして無事チェックイン。ドライバーに礼を言って部屋へ行こうとすると、「明日10時半ね」という。ウユニでのツアーは頼んでいないのだが、一度つかまえた客は絶対離さないぞ、という構えである。もちろん、来る必要はないと伝えた。我々の目的の一つはウユニ塩湖内にある塩のホテル(岩塩でできている)に宿泊することで、そのホテルを経営しているという旅行社のツアーに参加するつもりである。
一夜明けたウユニは快晴だった。晴れか雨・曇りか、まるで丁半博打をするような気分でボリビアまでやって来たが、これで好天のもとウユニ塩湖が見られる。ラッキーである。
ホテルの入口。 |
ホテルの中はこんな具合。通路の両側に部屋が並んでいる。我々は旅行社を通したので38ドルとられたが、ホテルに直接行けば20ドルから30ドルくらいで泊れると思う。 |
ホテルで朝食をとり、9時少し前にチェック・アウト。チェックアウト間際、昨日の旅行社の人が来た。用件の一つはウユニからオルーロへの列車のチケットの受け渡しについて。そしてもう一つはウユニ塩湖ツアーの売り込み。チケットは、翌日か翌々日、このホテルで渡すとのこと。ツアーの方は、我々は塩のホテルへの宿泊を最優先しているのでお断りした。
「駅を背にして右角にある雑貨屋の隣」という、Yがホテルイチバンで知り合った日本人から入手した情報を頼りに、塩のホテルを持っているという旅行社へ行った。
2軒ある塩のホテルは、汚水処理の問題などがあり、塩湖の中(塩湖の中にあるということが理解しくいと思うが)から、塩湖岸に移転しているという情報もあったが、どうやらちゃんと営業しているらしい。
机が一つあるだけの小さな旅行社に入ってみると、壁にはここのツアーを勧める日本人が書いた張り紙が何枚か貼ってあった。曰く「塩のホテルに泊れるのはここのツアーだけです」「満天の星が素晴らしい」「忘れられない景色」etc.
塩のホテルに泊れるのはやはり、この旅行社だけらしい(ちなみに看板がなく名前はわかりません)。
我々に応対してくれたのは、気さくな感じのインディヘナのおばさんで英語もできる。さっそく1泊2日のツアーに申し込んだが、ガイドブックには必ず載っているイスラ・デ・ぺス(魚の島)へは水が深くて行けないという。ウユニに戻ってから鉄道車両のが打ち捨てられた場所へも行くということだが、ほとんど塩のホテルへ行って、そして戻ってくるというコースである。料金は3食ついて一人40ドル(乾季は45ドル)。旅行社のおばさんが「ベジタリアンか?」と聞くので、アンデスはジャガイモの原産地→たくさんの種類のジャガイモがある→ベジタリアンと答えればそれらを使った色々なジャガイモ料理が食べられるかもと一瞬思ったので、思わずベジタリアンと答えた。結論からいうとこれは失敗だったようだ。
10時半出発を待つ間、Tさんもやって来て、塩のホテルツアーにプラスして、赤い色の水をたたえ、フラミンゴが沢山集まる湖としてラグーナ・コロラダまで行くコースに申し込んだ。2日目に塩のホテルで、そのツアーに合流するということだった。ラグーナ・コロラダは時間が許せば行きたいところなのだが、ウユニで使える時間は3日だけの我々は、2泊3日のそのツアーには参加できない。
結局、予定より1時間遅れて11時半ころ出発。我々3人にさらに日本人のカップルを加えた5人のツアーとなった。
塩湖に向かう途中で寄ったお土産屋。白いのは岩塩細工で、右にあるのはサボテン細工。 |
お土産屋の向こう側。まだ見えないが向こうに目指す塩湖がある。 |
お土産屋を出てしばらく行くと、塩湖の入口があった。乾季には水が完全に干上がってしまうらしいが、雨季なのでけっこう水がある。我々を乗せた4駆は、その水の中に突入して行った。窓から見える景色は、何と表現したらいいものか。水面は鏡のように空や雲を映し、水平線と空が渾然一体となり、陳腐な言い方だが、まるで空を飛んでいるような感覚だ。
水の中に入ってから30分くらい走っただろうか、1時20分ころ、塩のホテルに到着した。
塩のホテル。電気・水道はなし。トイレも水が流れない。汚水はタンクにつめて運び出しているらしい。 |
塩のホテルの中。このホテルは一応カフェとしても営業しているが、写真の場所は一応宿泊者しか入れないことになっている。椅子・テーブルなど皆岩塩でできている。 |
客室。電気はない。 |
ホテルへ到着早々、荷物を部屋におくと、すぐに塩湖の中に入った。水はくるぶしく
塩湖の中でコンサドーレ札幌のタオルマフラーを広げる管理人。 |
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らいまであり、水の下はすべて塩だ。大きめの塩の結晶がつもったようになっており、これがけっこう痛い(一応ビーチサンダルを持っていたが、サンダルと足の間に塩の結晶が入ってくるので)。水は好天のためぬるく、気持ちがよい。
やがて昼食が用意されたが、食事を終えたあとは、魚の島へ行けないので、ものすごく暇である。それでも、雲の様子の変化に応じて、また光線の角度で塩湖は微妙に表情を変えるので飽きはしない。
だんだん陽が西に傾いてきた。 |
ホテルを管理している夫婦の娘(3人娘の真ん中)。 |
ウユニ塩湖に沈む夕陽。オレンジ色の場所が水平線。 |
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