カンチェンジュンガとダージリン・ヒマラヤ鉄道 今回の旅の目的地ダージリンは紅茶の産地として有名なところ。 しかし、旅の目的はダージリンティーではなく、ここから見られるヒマラヤ山脈にある世界第3位の高峰カンチェンジュンガ(8598m)とレール幅610ミリというミニ登山鉄道(ダージリン・ヒマラヤ鉄道、通称トイ・トレイン)。 旅行日程は10日。3月4日夜、成田からバンコクへ飛び、バンコクの空港内にあるホテル(DAY ROOMという。けっこう高い。)に宿泊。翌5日の昼過ぎにコルカタ(カルカッタ)到着(インドではイギリス統治時代の都市名を昔のインド名に戻そうという動きがあり、コルカタという都市名もこれによるもの)。 日本で予約していったコルカタの飛行場近くのホテルに1泊し、翌日の昼頃、ダージリン最寄のバグドグラへ飛んだ。 ガイドブックによると、ここからダージリンまでの90kmにはリムジンバスが走っているとある。しかし、そのバスはなく、観光案内に問い合わせると、「タクシーしかない」というではないか。インドによくあるプリペイドタクシーというやつだ。90㎞をタクシーで行くと、どんな金額になるのか? しかし、ほかに足がないのであれば、それで行くしかない。おそるおそるプリペイドタクシーのカウンターで「いくらか?」とたずねると、耳を疑う答え。「790ルピー」というではないか。1ドル=約46ルピーだったので、タクシーで90㎞走って、わずか17ドル強だ。車は軽のワゴン。 途中でガソリンスタンドに寄った。ガソリンはインドの物価(まだ全然把握していないのだが)からみて異様に高い、リッター33ルピーくらい。こんな高いガソリン代なのに、90㎞を790ルピーで走るタクシー。人件費がとんでもなく安いのである。 バグドグラの街を抜けると、広いところでも、ジープがやっとすれ違えるだけという、狭い九十九折りの山道に入っていった。斜面のあちこちには茶畑が広がっている。やがて、道路脇に幅の狭~い線路が現れ、しばらく行くと、前方に小さな列車が走っているのが見えた。ほんとに小さい。車はその列車を追い抜き、バグドグラ空港出発から2時間半後、ダージリンの街に着いた。 3月6日。5時起床。山は朝が一番よく見える可能性が高いらしく、日の出の時間帯を狙っての早起きである。 5時半ころホテルを出た。うっすらと明るくなっている程度であるが、ダージリンの人々の朝も早い。散歩やジョギングをする人がけっこういる。 肝心の空は晴れ上がっているが、低いところにうっすらと、もやがかかっている。カンチェンジュンガの頂は見ることはできたが、くっきりと姿を浮かび上がらせることはなかった。
朝食後、ダージリン駅へ行き、ダージリンからグームまでの一駅だけ、トイトレインに乗車(8km、2等車21ルピー)。この鉄道は、ダージリンと麓のニュージャイバイグリ間86kmを結んでいる、世界最古の登山鉄道の一つで、世界遺産にも登録されている。 ところで、インドでは鉄道は軍事機密に属すとかで、基本的に写真撮影禁止なので、トイ・トレインと呼ばれるミニ鉄道といえども、どうなのだろう、と若干心配していたが、西洋人の鉄道ファンがバシャバシャとシャッターを切っても何のおとがめもない様子だったので、僕も色々と撮った。
≪ダージリン・ヒマラヤ鉄道の運転時刻(2003年3月)≫ 2D/DOWN: Darjiling 9:15-9:40 Ghum 9:45-11:32 Kurseong 11;42-15:11 Siliguri JN 15:13 -15:43 New Jalpaiguri 10D/DOWN: Darjiling 15:00-15:33 Ghum 15:38-17:30 Kurseong 1D/UP: New Jalpaiguri 9:00 -9:25 Siliguri JN 9:27- 12:48 Kurseong 12:58- 14:46 Ghum 14:51- 15:30 Darjiling 9D/UP: Kurseong 6:40- 8:25 Ghum 8:30-9:10 Darjiling *上記以外に「Joy Ride Train」という,、ダージリンからグームまで行き、ダージリンに戻って来る観光列車が1日に2度走っていた。1本目はダージリン発10:00、11:50帰着、2本目はダージリン発12:50、14:50帰着。ただし、乗客が6人以上いる場合のみ運行ということだった。 |