ジャイプル

<4日目>
デリー滞在の残り1日はジャィプル1日ツアーに参加した(デリー到着翌日に申し込んだ)。デリー市内観光にはあまり食指は動かず、”ピンク・シティ”と呼ばれているジャイプルの街に何となく魅かれたのだ。

このツアーは街中の旅行会社が主催するものだったが、正直失敗だった。アーグラーはデリーからの1日ツアーで何とかなる範囲内だったが、ジャィプルは想像以上に遠かった。

デリーからジャイプルまでは266キロというから、高速道路が完備していれば日帰りツアーも十分可能な距離だ。しかし、高速道路はなく、片側1車線の道が通じるのみ。

7時、ツアーバスは出発(ホテルから歩いて出発地点に行ったのだったか?)

満員のツアー客を乗せたバスは性能目いっぱいに飛ばしていったが、道には遅い車が沢山走っているし、例によって牛もいたような・・・。追い越したくても、対向車線の車が途絶えることもない。そんななか、ちょっとしたスキをついてバスは追い越しをかけていく。インド旅行経験者ならばわかると思うが、ときどき冷や汗が出るような本当に荒っぽい運転だった。

運転席の上にはどの神かは忘れたがヒンドゥー教の神の像が祀ってあり、フロントガラスの下にあるダッシュボード(?)の上ではずっと線香をたいていた。神のご加護により安全を確保しようということなのか?

12時、この日の最初の目的地アンベール城に到着。

実はジャイプルについては基礎知識がほとんどなく、街の建物が皆ピンクっぽい色で塗られていてピンク・シティーと呼ばれているというイメージしかなく、具体的な見どころとしては「風の宮殿」くらいしか知らなかった。

「風の宮殿」はテレビの海外情報番組で何回か見たことがあり、薄っぺらい(奥行のない)特異な形がとても印象に残っていて是非見たいと思っていた。しかし、バスがまず行ったのはアンベール城という城塞だったから、ややがっかりしたのを覚えている。

しかし、アンベール城はなかなかすごい所だった。

16世紀末に築城が始まったアンベール城(築城開始以降何代にもわたって増築された)。城は小高い丘の上にあるが、観光客は麓からゾウや乗り合いジープで登る。ちなみに我々は、ツアー会社が契約しているらしいジープに分乗して登った。



ジープを降りてアンベール城を見上げる。左上の柱が並んでいる所が謁見の間(残念ならが上では写真を撮っていない)。壁がかなり汚れておりみすぼらしい感じ(現在は綺麗になっているようだ)。




客を降ろした後のゾウ。




右は入口の上部にガネーシャという神が描かれているガネーシャの門。ここから内側が宮殿の私的空間。ライオンの門を通り、謁見の間の前を過ぎるとこの門がある。肝心な場所の写真を撮らず通過した感じだが、ツアーの進行が速すぎて写真を撮る暇がなかったのか? 壁が薄汚れていて写欲が今一つ湧かなかったのか? 




勝利の間。ここは割と多く写真を撮っている。ガイドが力を入れて説明していたからか? それとも薄汚れた他の場所と比べて綺麗だったからなのか?




勝利の間(だと思う)。webで見られる近年の旅行者の写真によると、このアーチ上の出入り口の奥は立ち入り禁止になっているようだ(中が見える高さのロープというか柵で仕切られている)。




細かい装飾が綺麗。前日のタージ・マハルやアーグラー城もそうだけれど、デジカメを使用している現在ならば写真を大量に撮ったのにと思う。




「うむ、なかなかしっかりした造りだ」「お客さん、文化財にはお手を触れぬように」 上述した通り、ここから奥は立ち入りが禁止されており、もちろんこんな風に触ることもできなくなっている。




奥の高いところにある城壁はジャイガル要塞。




下に見えているのは勝利の間(だと思う)。







アンベール城の麓にある水上庭園。今は綺麗に整備されているようだ。現在は手前の木が生えている部分はなくなっていて、池と中央の庭園部分が綺麗に分離されている。













太陽の門を望む。ところで、この門の前に広がる中庭(ジャブレブチョーク)は写真のようにはなっておらず、ほぼ全面に石(コンクリート?)が敷かれていて、ところどころに木が植えられている。



今回(2021年1月)、旅行記を作成するにあたってweb上でアンベール城の写真を色々と見て回ったが、ここに載せた薄汚れた感じではなく、ものすごく綺麗になっていた。ここは2013年に世界遺産として登録されているようだが、もしかすると世界遺産登録後に大規模な清掃というか汚れ落としとか、観光のための整備が行われたのだろうか?



ジャル・マハル(水の宮殿)。アンベール城からジャイプル市街地へ行く途中にある。この前か後に昼食タイム。




バスから見たジャイプル。建物が赤みがかっているが、街全体がこの色で統一されているので、ジャィプルはピンク・シティと呼ばれる。



ジャイプル市街地に入り、最初に案内されたのはヒンドゥー教の寺院(何という寺院かは不明、写真は1枚も撮っていない)。

早く風の宮殿に連れて行ってくれという感じだが、ツアー客はほぼインド人なのでヒンドゥー教寺院は外せないということなのか?

続いて行ったのはジャンタル・マンタル。



ジャンタル・マンタル(「計測する器具」の意)。ここは18世紀前半、ジャイ・スィン2世によって造られた天文台。日時計・星座儀・子午線儀・黄道儀・天体経緯儀などが並ぶ(どれが何なのかわからないが)。これらを用いて暦の修正、日月食の予測などを行ったという。上の写真はサムラート・ヤントラという観測器具で高さは27m余り。




ジャイ・プラカーシュ・ヤントラ。下の空間に入って観測するとのこと。




現代アートのオブジェが並ぶ公園のようにも見える。貴重なものらしいが、早く「風の宮殿」に連れて行ってくれ、という感じ。



ジャンタル・マンタルの後は、これに隣接するシティ・パレスに案内された。

シティ・パレスは、1726年からマハラジャ、サワーイ・ジャイ・スィンによて建造された宮殿で、現在もマハラジャが住み一部が博物館として公開されている。






上の写真の門の両サイドに像の彫刻が立っている。




奥の高い建物が「現在、マハラジャが住んでいる建物」というガイドの説明を受けて、シャッターを押したような記憶がかすかにある。


シティ・パレスを出た後、土産物屋に連れていかれた(何も買わず)。

メモには時間の記述はないが17時を回っていたのだと思う。シティ・パレスが開いているのは17時までなので、我々のツアーはけっこうが駆け足で見学したのだと思う。

自分の最大の目的地である風の宮殿も17時までしか開いていなかったと思うので、当然時間切れである。それとも、はなから予定に入っていなかったのか? 通りに面している建物なので、もしかしたら横を通りチラッと見るチャンスがあったのか?

18時、ジャイプルを出発。

23時すぎホテル帰着。前日よりさらに長い1日だった。

ジャイプルは見どころが多い。機会があれば再訪したい場所だ。