シエナ


イタリアではどこへ行こうか、出発直前まで迷った。
できれば暖かいところでダラダラしたかったので、ナポリへ出て、アマルフィ海岸あたりへと思っていたが、ナポリのゴミ処分場不足に起因するゴミの未回収問題は解決の兆しがなかった。

ということで目的地はシエナ、サン・ジミニャーノ、フィレンツェ方面に決定。ローマ1泊後、鉄道でシエナへ移動。鉄道駅から街の中心まではけっこう距離があるのでバスで移動。しかし、ほとんど下調べせずにシエナに着いたので、どのバスに乗ればよいのか、どこで降りてどう歩けばよいのか、よくわからず、意外と苦労して目指すカンポ広場に到着(あとでガイドブックを読むと当然詳しい記述があった)。広場からあまり離れていないところのホテルに部屋をとりさっそく観光へ。



マンジャの塔・プッブリコ宮(市立美術館)とカンポ広場。カンポ広場は「世界一美しい」といわているらしいが、なるほど非常に印象的な広場である。



カンポ広場はあたかもプッブリコ宮の前を舞台とする劇場のような形をしている(傾斜はきわめて緩やかで、もちろん客席もないが)。傾斜のため、腰をおろして足を前に投げ出したときの感じがとてもよい。



ドゥオーモ。この街へはカンポ広場だけが目的でやってきたが、なかなかの建築物であった。



ドゥオーモ付属美術館からの眺め。街の外側に広がるトスカーナの田園風景もよい。


街を抜けたところにこじんまりとしたスタジアムがあった。あとから知ったのだが、イタリアのサッカーリーグセリエAに所属するシエナの本拠地だ(残念ながら写真はありません)。中はよく見えなかったが、斜面を利用して客席を設けているようだ。古代の劇場も地形を利用して客席を設けているものが多くあるが、同じ発想のつくりのようだ。もちろん斜面とは逆のがわにも客席はあるが、斜面を利用する分だけ、建設費は節約できるのだろう。合理的なつくりだと思う(そういえばジュビロ磐田の本拠地のヤマハスタジアムのバックスタンドは斜面を利用したものだった)。



街を一回りしてきたら、日が西に傾いてカンポ広場も大部分が日陰になっていた。わずかに残った日向に人々が腰をおろして、まだ長くはない春の日を楽しんでいた。




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