アルバニアからモンテネグロへ


さて、明日はティラナからモンテネグロへの移動である。『Lonely Planet』には国共越えの詳細は記されていない。ホテルのレセプションでモンテネグロへの行き方を尋ねたが、答えは「わからない」「とりあえずシュコードラへ行け」だった。

地図を見るとシュコードラからモンテネグロの首都ポドゴリッツァ間は幹線ルートらしく、バスも走っているように思われた。取り敢えずポドゴリッツァに出て、そこから先は出たとこ勝負だ。

翌朝7時頃、ホテルをチェックアウト。ティラナ駅のそばにあるシュコードラ方面へのバスの乗り場へ徒歩で向った。バスの時刻は確認していない。なぜかというと、どこの都市からもティラナ行きのバスは頻発しており、したがってティラナから各地へ向うバスも頻発、もちろんシュコードラ行きも頻発と読んだからだ。おそらく1時間も待たずに乗れるはずである。しかし、朝早いとはいえ7時にしてはあまりに車の通行量が少ない(その謎は翌日わかることになる)。



早朝のティラナ。7時にしてはあまりに交通量が少ない。



ティラナ駅。一国の首都の駅とは思えない規模。シュコードラ行きのバスは駅前ではなく、駅に向って少し右に行ったところの道を入って行ったところにあった。


7時半頃、シュコードラ行きのバス乗り場に到着。バスの駐車場の管理者みたいな人にバスの時刻を聞くと(と言っても時計を指差しての身振りの会話だが)、どうやら「8時発」らしい。



シュコードラ方面へのバスの駐車場(バスの向こう側が駅のホーム。写真を撮っていたら、駐車場の管理人と思われる人物にダメと言われた(制止された)。1枚撮っちゃったけれど。。。


ティラナの朝はかなり冷え込んでおり、30分の待ち時間はややつらかった。やはり前日バスの時刻くらいは調べておくべきだった。少々後悔する。

8時少し前、駐車場に並んでいたバスのうち1台が動き出し、所定の場所にとまった。

定刻(?)の8時に出発。10時半頃、終点に到着。例によってバスターミナルみたいなところではない。国境行きのバスはなさそうだった。たまたま近くに旅行社があったので「ポドゴリッツァに行きたい」というと「バスは存在しない」という答え(旅行社のおじさんは英語が出来ず近くから英語の出来る人を呼んできて通訳)。「存在しない」という英語がずしりと響いた。どうすればいいのだ。しかし、旅行社のおじさんは「タクシーでいかないか?」というオファー。「20ユーロ」だという。悪くはない金額だ。本当はバスで国境を越えたかったのだが。

おじさんがタクシー会社に話をしてそれで迎えに来るのかと思っていたら、なんのことはない、このおじさんの車での出発であった。

10時45分ころ出発して11時半ころに国境に着いた。
しかし、ここで問題発生。国境の女性係官が「あなたは行けるが、彼とその車はダメ」というではないか。どうやら旅行社のおじさんはパスポートも所持しておらず、出国する資格がないようだった。しかし、旅行社の人間なのに国境越えのルールも知らないとは。ちょっと笑ってしまった。

おじさんは「俺とシュコードラに戻ろう」と言っているが、女性係官はたまたまやってきたタクシーの運ちゃんに声をかけてくれポドゴリッツァに5ユーロで行ってもらえるように交渉してくれた。(こんなに安いのか!? さっきの20ユーロはかなりのぼったくりだな)

旅行社のおじさんにはもちろん20ユーロは渡さない。遣い残しのレク(10ユーロ分くらいはあった)を渡して別れた。彼はかなり不満顔だったが、途中までしか来れなかったのだから当然だろう。

アルバニアは問題なく出国できたが、今度はモンテネグロ側の税関で問題発生。タクシーのトランクの荷物が問題だったらしい。いったんアルバニアに戻り(そんなことが可能なのか?)、大量の葉物野菜(何かはわからなかった)をそこの店に預け、そして、さらに隠してあった酒を持ってくれと頼まれた。自分が持てば大丈夫ということらしかった。

再びモンテネグロ側へ。荷物のチェックでは酒はひっかからなかった。

12時15分ころ、国境を出発。モンテネグロに入ると道路が格段によくなった。両国の経済状況の違いを実感した。



モンテネグロ側に入ってすぐの景色。正面に湖が見える。


13時少し前、ポドゴリッツァのバスターミナル近くに到着。しかし、ここでタクシーの運ちゃんが、なんと15ユーロを要求してきた。だが、5ユーロの約束である。シートに5ユーロ紙幣をおいてバスターミナルへ向った。モンテネグロのバスターミナルはちゃんとしたバスターミナルであった。



ポドゴリッツァのバスターミナル。


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