嵐山・嵯峨野散歩~京都サンガ戦(2022.04)
2022年4月13日、実に久しぶりでコンサドーレのアウェイ戦(ルヴァンカップ・グループ・ステージ)に出かけた。対戦相手は京都サンガ、試合会場は亀岡にあるサンガ・スタジアム。

サンガ・スタジアムは2020年1月に完成したサッカーなどの球技専用のスタジアムで、この年のリーグ戦から京都サンガがホームスタジアムとして使用を開始した。

評判のスタジアムなので、20年の3月にサンガ・スタジアムで行われる京都サンガvsFC琉球の試合を見に行くことにしていた。当時、京都サンガとコンサドーレはリーグのカテゴリーが違ったので、かなり久しぶりのコンサドーレ戦ではない観戦計画だった。

しかし、コロナ禍によりJリーグは延期となり、遠征も取りやめ。リーグ戦再開後もコロナの状況に不安があるので、旅行は自粛。それに加えて、実家に張り付いていなければいけないという事情が加わり、コロナウイルスの感染状況が落ち着いているときも、やはり出かけられずという日々が続いた。

この4月、コロナ・ウイルスの感染状況は必ずしも落ち着いているとは言い難い状況ではあったが、密を徹底的に避けつつ遠征に行ってみようという気になった。

しかし、もう一つの問題=実家に張り付いていなければならない問題があり、そのため、色々と調整して、1泊2日の日程を確保した。とはいっても、うち1日は、東京での所用にあてなければならなかったのだが。

13日、新千歳を12時45分の出発する便で大阪伊丹空港へ向かい、14時40分ころ到着。

15時くらいの大阪モノレールで南茨木まで移動して、阪急線に乗り換えで嵐山へ向かった。

この間、心配していた密な状況はなく、これで感染したら、もう防ぎようがないという感じ。

阪急の嵐山駅からは、渡月橋を渡り、嵯峨野を少し歩いてから、JR山陰線の嵯峨嵐山駅まで行き、そこから亀岡まで電車で行くことにしていた。

阪急嵐山駅に到着したのは16時10分くらいになっており、もう、嵯峨野のどこかの寺を拝観ということはできない時間になっていた。が、ただ歩くだけでも、まったく旅気分というものを味わうことができない状態だった自分にとってはとても貴重な時間で、出来る限り味わいながら歩くことにした。



すでに桜は終わりかけていたが、枝垂桜がかろうじて花を残してくれていた。後ろの橋は渡月橋。



渡月橋を渡った後は左手に天竜寺を見ながら、北へ向かって歩いて行った。そして、左折して竹林の中に続く道に入って行った。インバウンド客が皆無なのと、すでに16時を大分回っていたのとで、歩く人はまばらだった。



メインの道の横にできていた人力車専用の道(人力車しか入ることができないので入口から撮影)。人力車と歩きの観光客の接触事故などを避ける目的で作られたのだろうか? それとも、人力車観光の魅力をアップさせて、利用者増を図るという目的から作られたのだろうか?




山陰線の踏切を渡ってしばらく行ったところにある広場みたいな場所。奥の生垣みたいものに囲まれているのは落柿舎(江戸時代の俳人で松尾芭蕉の弟子だった向井去来の庵)。しかし、この広場みたいなところは、以前はもっと趣があったのだが。。。ということで、次の写真は趣のあったころの、このあたりを撮ったもの。




これは2008年1月に撮影したもの。現在は広場のようになっている落柿舎の前の土地では菜園が営まれていた。その後、ここは何度か訪れたが、勝手に立ち入る観光客が多かったのか、畑の周りに鉄線が張られ美観を損ねていた。そして、ついに畑もなくなっていた。畑を運営する人材がいなくなってしまったのだろうか? 菜園はここの景観にとってよいアクセントになっていたので、この先、一つ上の写真にある芝生のある広場みたいな感じが続くとするならば、ちょっと残念な感じがする。



落柿舎の西側の道を、さらに北に向かって歩いて行くと、左側に二尊院が見えて来る。

そこからさらに奥嵯峨・鳥居本へと歩いて行くのが、ここを歩くときの僕のルーティンのようなものだのだが、そろそろ亀岡へ向かった方がよさそうな時間になってきた(キックオフが18時半なので)。

ということで、二尊院門前を通り過ぎたところで、歩く方向を東に向けた。



慈眼堂。何ということのないお堂だが、藤原定家ゆかりのお寺。このお堂の前の道は清凉寺(嵯峨釈迦堂)から西へ向かう愛宕道で、道の両側を中院という。定家は嵯峨の自然を愛し、しばしばこの辺りを訪れた。慈眼堂の本尊「木造千手観音立像」は定家の念持仏と言われる。写真は撮っていないが(「撮っていいですよ」という掲示などがない限り仏像などの撮影は自粛した方がよいだろうということ)、お堂の小窓から中の仏様を鑑賞することができる。こんな何気なく建っているお堂に、そんな由緒のある仏像が安置されているとは、京都の”実力”というものを感じざるをえない。




愛宕道を東に向かって進む。八重桜(?)のある茅葺の家、そして奥に寺院(清凉寺=嵯峨釈迦堂)の大きな屋根。なかなか趣のある道だった(電線がなければもっとよいのだけれど)。



この後、愛宕道を東進して清凉寺の境内に入っていた。すでに拝観受付は終了しており、ひっそりと静まり返っていた。

ちなみに、清凉寺は、10世紀に奝然(ちょうねん)という僧が宋に渡航して五台山を巡礼した際に持ち帰った釈迦如来像を安置する寺として有名で、その像は、五台山のお寺に安置されていた釈迦37歳の時の姿を伝えたとされる像を模したもので、奝然が現地の仏師に彫らせたとのこと。



清凉寺の境内にあった石像というか立方体の石に刻まれた仏像。後ろの花は枝垂桜(だと思う)。







後方のフェンスがなければ、なかなかいい感じなのだが。。。



清凉寺の境内を抜け、さらに何分歩いただろうか。17時すぎに嵯峨嵐山駅に到着。



写っている列車は嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅に留め置かれていたトロッコ列車。ここから旧山陰線を通ってトロッコ亀岡駅まで運行されている。



嵯峨嵐山駅から亀岡駅までの所用時間はわずか10分あまり。サッカー観戦の客もいるだろうし、帰宅ラッシュにかかる頃合でもあり、車内の状況が気にかかる(神経質にならざるを得ない立場に置かれているのです)。

幸い混雑はそれほどではなく、窓も開けられていたので、風の通り場所となる位置を確保して亀岡到着を待った。途中、車窓から保津川がちらちらと見えた。旧山陰線は保津川とかなり寄り添って走っており、そこを上述の観光列車が走っている。乗車するなら、観光客が少な目の今だと思うが、いかんせん出かけることが困難な環境だ。



スタジアムに入るとすぐに、選手が試合前のウォーミングアップに出てきた。




スタジアムから亀岡駅のホームを望む。本当に近い。しかし、試合前後の(特に後だと思うが)観客の渋滞を避けるためか、スタジアムの入口は駅の出入り口から遠い側にある。




自分の席(コーナーの席)からメインスタンドとホームのゴール裏の方を望む。このスタジアムの屋根は客席の最前列までカバーしている。屋根があっても前の方の席は恩恵をこうむることが出来ないスタジアムが多いので、そこは特筆すべき点だと思う。ただ、風があるとやはり前の方の席は濡れるのでカッパが必要だと思う。




選手入場時。スタジアムの照明を暗くして、観客が入場時に配布された紫色(サンガのチームカラー)のセロファンをスマホのライトのところに貼るという光の演出が行われた。残念ながら平日のナイトゲームということで観客がまばらだったので演出効果はほぼなし。




選手整列。




見やすいスタジアムだった。



試合は、コンサドーレが2点先取したものの、3点取られて敗戦。

選手が試合後の挨拶に来るまで待ちたいところではあるが、新幹線に間に合わせなければならない。ということで、試合終了のホイッスルが吹かれる寸前に席を立って亀岡駅へ向かった。

早くスタジアムを出たこと、この日の観客数が3000人台であったこともあり、さしたる混雑に巻き込まれることなく、京都行きの列車に乗車。

京都駅での新幹線への乗り継ぎも問題なく完了し、深夜12時すぎに東京の自宅に到着。

キックオフ時刻が多くのチーム同様19時だったら、このようなスケジュールを立てることはできなかったわけで、18時半のキックオフ設定に感謝である。