タクシーをチャーターしてカズベキへ

<6日目>
この日は朝から腹がゆるくで仕方がなかった。早い話、軽い下痢である。

ズグディディ行きの列車で一緒になった日本人の方は「思ったほどではなかった」ということだが、何とかロシアとの国境に近いカズベキに行き、山の上に立つツミンダ・サメバ教会を見に行きたい。

マルシュルートカでジョージア軍用道路という道をカズベキまで移動して、そこでタクシーを雇って行くつもりだったが、ちょっと無理そうだ。ということで、まず、メトロでディドゥベまで行き、そこでタクシーを雇うことにした。

9時ころディドゥベ駅を出てタクシーが固まって停まっている方に歩いていると、運ちゃんに声をかけられた。予定通りだ。ただ、トビリシとカズベキの往復(途中観光付き)の相場というものがわからない。

10人くらいで行くのであろうトビリシ発のカズベキ観光のツアーの料金がだいたい1人50ラリから60ラり。客が4人しか乗れないタクシーで行った場合、一人当たりの料金は割高になるはずで、仮りに1人70ラりとすると4人で280ラり(つまり車1台280)なので、250ラりくらいで妥結できれば交渉としては成功だろうと考えて運転手のおじさんと話を始めた。

最初「200」と言ったが、全然取り合ってもらえず、結局、300ラりになりそうな感じで、そんなにラりを持ち合わせていないので両替できる場所を教えてくれというと、ユーロでも大丈夫という。

300ラりだと95ユーロくらいだったが、ためしに「80ユーロ(約250ラり)でもよいか」と聞くと「OK」だという。ということで、当初の目論見通りの金額で妥結。ただし、相場を全然知らないで交渉しており、とても高かったのかもしれない。

タクシーのチャーターなので、もちろんカズベキへ行く途中の名所にも寄ってくれた。

途中、運転手のおじさんは自分の朝食としてだろうか、パンを買ったとき僕の分も買ってきてくれた。こうしたサービスはとてもうれしいものだった(有難迷惑に感じる人もいると思うが、途上国っぽさが残っていて自分には好ましく感じられた)。ただ、何せ腹がゆるい。腹具合が悪いというジェスチャーをして丁重にお断りした(後から翻訳アプリを使ってロシア語の「下痢」という単語を示して理解してもらった=旧ソ連なのでロシア語が通じる)。



既に訪れたムツヘタを通り過ぎしばらく行くとジンヴァリ貯水湖があり、その湖に面したところにアナヌリ教会がある。マルシュルートカでカズベキに直行していたら見られなかったので、体調を崩したのはよかったというべきか?




アナヌリ教会。




アナヌリ教会。




湖岸近くに行って教会を見上げてみた。




教会前で出会った牛の群れ。







水の色が異なる川が合流する地点でも車を止めてくれた。そこそこ有名な観光地らしい。



カズベキに向かう最中、運転手のおじさんは、山の上の教会以外に、〇〇とか△△などの美しい教会もあるから、あと20ユーロ出したらそこにも行けるよと盛んにセールスするが、カズベキの山の上の教会だけでよいと断る。

軍用道路の最高地点に近づいていったところにはスキー場があった。そこそこのスキーリゾートのようだ。

軍用道路の最高地点は観光地になっているが、そこは素通りしてもらいカズベキに急いでもらう。



カズベキの街から坂を登ったところにあるツミンダ・サメバ教会(13時ころ到着)。駐車場から教会とは逆の方向の斜面を登っていった。多くの観光客は車を駐車場には停めず教会の近くに駐車するので、せっかくの景色が台無し。




よい眺めだけれど、大感動というほどでもなかったか。




教会の方へ向かう。しかし、このあたりで腹具合がおかしくなってきた。トイレには列ができており、かなりピンチだったが、ロシア人(だと思う)のおじさん・おばさんたちが、ピンチなのを察してくれたのか譲ってくれて事なきを得た。(トイレはとても汚かったが、長く途上国を旅してきたので、まあ、こんなものかという感じ)




教会から。観光客がひっきりなしにやって来る。




名残惜しいのでもう一枚。



14時半ころ出発し、17時10分ころディドゥベに到着。



ホテルに戻ったあと旧市街を少し歩いたが、腹具合を考えて夕食はひかえる。。




最後にメトロのエスカレーターの写真。果てしなく地中に潜っていく感を感じてもらえるだろうか?