哈爾浜(ハルビン)-牙克石(ヤクシ)-加格達奇(ジャグダチ)-瀋陽

<2日目続き>
ハルビン市内の観光を終え、ホテルで荷物を受け取った後、ハルビン西駅へ。ここも高鉄の駅として設けられたもののようだが、本日乗車するのは在来線の満洲里(中ロ国境の街)行きの列車。

17時41分、定刻で出発。



哈爾浜西駅。



哈爾浜西駅の中。広大なスペースは待合所。両サイドの2階にレストランや売店が並んでいる(大連北駅も同じ作りだった)。




本日は軟臥車。始発時にはほかに客はいなかったが、途中駅で客が乗って来てコンパートメントはいっぱいになった。




中国で寝台車に乗ると、車掌が乗車券と交換にこのようなカードをくれる。降車駅が近づくと車掌がやってきて、このカードを回収して乗車券を返してくれる。というわけで、夜行寝台で寝過ごしてしまうということがない、優れもののシステムだ。




カーテン越しに景色が見えるような感じもするが、実はカーテンに模様が施されている。



車窓に夕焼けが。夕食は駅の売店で買ったパン。




<3日目>

4時30分、牙克石到着。駅を出ると宿の客引きがワッと集まってきた。しかし、今日は列車を乗り継ぎ加格達奇(ジャグダチ)に行くことになっている。




牙克石(ヤクシ)駅。




牙克石駅の中。小さい駅だが、駅の中のほとんどが待合スペース。朝食は駅前の店で買ったバナナとカップ麺。待合室に給湯機があるのでお湯には困らない。




待合室から見た牙克石の街。




満洲里始発(だったと思う)、加格達奇(ジャグダチ)経由ハルビン行き(すごい遠回りのルート)の列車が、9時頃到着(9時4分発)。この列車で一気にハルビンまで行くことができれば、ハルビン観光の時間がとれるが、あいにく加格達奇(ジャグダチ)から先の寝台車のチケットは早々に売り切れ。ということで、この日は加格達奇(ジャグダチ)泊り。ただ、その方が加格達奇(ジャグダチ)-ハルビン間の車窓が楽しめるのでよいか?




列車は少しの間、内蒙古自治区の草原の中を走る。




牙克石-加格達奇の区間は、途中で大興安嶺山脈(の端っこか?)を越えることになっているが、この樹林帯はそれか?




何ということもない眺めだが、超個人的な車窓記憶用ということで。。。(一応、S字型の道に注目したのですが)






19時56分、定刻で加格達奇(ジャグダチ)到着。写真はホーム側から撮った駅舎。



ところで、牙克石-加格達奇間の移動には別の選択肢があった。

牙克石からは1本早い満帰というところへ行く列車に乗り、これで伊図里河まで行き、そこで後から来る今回乗った列車に乗る。そして、前者は硬座に、後者は硬臥を利用するというもの。

満帰行の方が古い車両を使っているようで、昔旅した中国を懐かしむには良い選択肢だと思ったのだ。が、万が一、混雑していたら車窓を楽しむどころではなくなるだろうと思い、加格達奇にまっすぐ行くことに。

加格達奇へは硬臥で行くことにしたが、理由は2つ。1つは混雑で車窓を楽しむどころではなくなる危険性がない、もう1つは、昼間は3段ベッド下段に客が座ることになり、下段を確保できれば「どうぞどうぞ座ってください」という感じで、他の乗客との交流がうまれやすいということ。(軟臥はちょっとお金持ってます、という感じの客と一緒になることが多く、ちょっととっつきにくい)

実際の列車は、ものすごく混んでいるような状況ではなく、1つ目のメリットはそれほどでもなかった。2つ目だが、下段のベッドのチケットが手に入ったので、他の客に「どうぞどうぞ」と言える立場になれた。(自分が中段・上段だったら通路にある収納型の椅子に座り続けていて、寝台に座らせてほしいという態度はとれなかったと思う)

僕の乗車したブロックは、上段には客がおらず、向かいの下段はモンゴル族だろうか満州族だろうか鮮やかな青のセーターというかシャツというかを着た、けっこう年配の女性で、終始何か食べているか寝ているか。その上は40前後の女性、僕の上は50くらいだろうか、かっぷくのよい男性。

最初、4人はまったく話すという感じではなく、それぞれの時間をすごしていた。

何時間かたって、向かい女性2人が世間話を始め、それに男性も少し加わるようになって、ずっと横にならずにいた僕に、若い方の女性が「横になってもいいんだよ」という感じで話しかけてくれた。

よいメンバーに恵まれた。

最後にはかなり打ち解け、加格達奇近くでは、男性が、定番の列車持ち込み食らしい、ぶっといソーセージをくれたり、向かいの食べてばかりの女性が何かの種(スイカだと思う)を分けてくれたり。で、男性のくれたソーセージが、僕をこの晩の空腹から救ってくれた。

駅を出たら個人経営の小吃店で夕食でもと思っていたのだが、そういう店がまったく見当たらなかったのだ。どうやら、20時くらいになり、とうに夕食タイムが終了してしまったようなのだ(昔の中国はかなり厳密に食事どきが決まっており、その時間をはずすと食事にありつけないということがけっこうあったのだが、この辺りでは、そういう昔ながらの食事の習慣が残っているのだろうか?)

今日はホテルの予約はなし。幸い、駅前にはホテルが何軒もある。駅の真ん前のホテルで部屋の有無を尋ねると、最初「ヨウ(有)」と言っていたのに、やはり「メイヨウ(没有)=ない」となって、他のホテルを紹介してもらった。しかし、紹介してもらったホテルがすぐに見つからず、結局、次に目に入ったホテルに空室があり、そこに泊ることにした。


<4日目>


加格達奇(ジャグダチ)駅。




ジャグダチの駅前通り。




8時3分発の列車でハルビンに向かう。








少しだけ前の方の車両の方が見える。




定刻より少し遅れて、18時5分ころハルビン到着。写真はハルビン駅北口。こちらの工事が終了したようだが、今度は南口が全面的な工事に入っていた。しかし、今日のホテルに近い南口への通路は工事中で通れないため、かなりの距離を歩かなければならない。と思っていると、南口行きの無料シャトルバスが運行されていた。最低限の通路も確保せず、とにかく工事、というのはいかにも中国的というべきか、何というべきか。



<5日目>
地下鉄でハルビン西駅に出て、7時54分の高鉄で瀋陽へ移動(30秒くらい早発)。

10時22分、定刻で瀋陽到着。瀋陽は昔からある瀋陽駅にも高速鉄道が乗り入れている。


瀋陽駅。もとは南満州鉄道の中心的な駅で、写真の駅舎は明治末に日本人の設計により建設されたもの。