ナスカの地上絵、パルパの地上絵

<6月23日>
朝起きると喉がかなり痛い。サンパウロの寒さで風邪をひいたらしく、それが少し悪化したか? ちょっとつらいので、風邪薬を飲んだが、これが後でけっこうつらいことになる。

9時半、旅行会社に行ってみると担当者が「良い知らせだよ」と。パルパの地上絵も見られる1時間コースが催行されることになったのだ。

10時に空港に到着。遊覧飛行会社のカウンターで搭乗の手続きをして体重測定。飛行機のバランスを整えるため、乗客の体重を量って席割りをするのだ。しかし、ここからかなり待たされ、そのうち風邪薬が効いてきて、眠いというか何ともいえぬ不快感が襲ってきた。

11時過ぎようやくセキュリティチェックとなり、飛行機に案内される。飛行機は6人乗りのセスナで、パイロット1人、ガイド1人、そして乗客が4人である。以前来たときは、パイロットがガイドも兼ねていたが、何かの理由で兼務ができなくなったのだろうか?

11時15分ころ、テイクオフ。左側の席の客にも、右側の席の客にも地上絵を見せるため、一箇所ごとに機体を大きく傾けて2度旋回する。乗り物に弱い人は、これで気分が悪くなるらしいのだが、以前搭乗したときは、まったくなんともなかった。しかし、朝飲んだ風邪薬の影響で、以前も見た地上絵の上空を過ぎ、パルパの地上絵に向かうころからかなり具合が悪くなってきた。上空から地上絵を認識するのはそんなに簡単ではなく(要するに見つけにくいということ)、カメラのファインダー越しに絵を探すと目が回った状態になり苦しい。遠くを見ると少し楽になるが、それではせっかくのパルパの地上絵が見られない。深呼吸を繰り返しながら、何とかガイドの声にしたがって(ヘッドフォンを通じてガイドの説明-といっても右に○○が見えてるよという程度-を聞く仕組み)地上絵を探し、そして確認していった。

ようやく、パルパの地上絵の観覧を終えて空港に戻ることになり、やれやれと思っていると、セスナ機の発着が多いため、時間調整でナスカ市内の上空まで行ってしまった。一刻も早く地上に降りたいのだが。

12時15分ころ、こみ上げるもの(?)を抑えつつ着陸。けっこうピンチだった。



ナスカの空港(遊覧飛行専門の空港である)。




機内はこんな感じ。まだ、前の人がつけているようなヘッドフォンでガイドの説明を聞く。気分が悪くなってくると、このヘッドフォンも邪魔くさくなる(笑)




「フクロウ人間」とか「宇宙飛行士」などと呼ばれる絵。




海鳥。写真は拡大しているから絵がはっきりと見えるが、肉眼だとこんなに大きくは見えないし、地上は線だらけなので地上絵を見つけるのは意外と難しい。




ハチドリ。




真ん中の太い線はパンアメリカン・ハイウエイ。真ん中に移っている道路脇の構造物がミラドール。左上に翼が写っているが、これから飛行機の傾き加減がわかると思う。




遠くを見て具合悪さをこらえる。




パルパの地上絵(「4人のシャーマン」)。ナスカの地上絵と似たようなものもあるが、これは大分雰囲気の違う絵。ナスカの地上絵は紀元前200年くらいから紀元後800年ころに描かれたものらしいが、パルパの方はそれよりも古いかもしれないといわれている。




これもパルパの地上絵。




遊覧飛行後、ミラードルへ行った(イカ行きのバスで行ける)。






ミラドールから見た地上絵(「手」)。



観光客の地上絵に対する評価は分かれるようだけれど、単純に古いこと、大きいことに価値基準を置いている自分にとっては、やはり興味深いもので、旅程を変更してナスカを再訪したことは正解だった。


          

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