ヴェネツィア~パドヴァ~ミラノ

<4日目>
8時半ころ、ホテルをチェックアウト。

まず、9時前のヴァポレットで本島のフォンダメンタ・ヌォーヴェに渡った。

その後、リアルト橋まで移動し、さらにヴァポレットに乗り、初日に『米欧回覧実記』の挿絵と同じ景色を見たアカデミア橋の近くまで移動した。ヴァポレットの24時間券のフル活用という意味もあるが、それよりもヴェネツィアの街をもう少し歩きたかった。



ムラーノ島の朝。今日も晴天。
















フォンダメンタ・ヌォーヴェから前日も歩いた路地を通って、リアルト橋方面へ向かった。前日撮った花の写真は、右の花屋?










運河の風景はどこも似たり寄ったりだが、ちょっとずつ違うのでカメラを向けてしまう。




ヴェネツィアを去る前の残された時間、路地を適当に歩いていると、コンタリーニ家の邸宅の前に出た。この螺旋階段はコンタリーニ・デル・ボーヴォロ階段という(階段は15世紀末のもの)。2014年春、ここを訪れたときは一般公開されていなかったようだが、その後、公開されて、この階段も昇ることが出来るとのこと。



ヴェネツィアの後、向かったのはパドヴァ。

11時5分の列車に乗り、11時54分パドヴァ到着。

駅で昼食を食べてからスクロヴェーニ礼拝堂に向かった。

スクロヴェーニ礼拝堂は14世紀初めジョットによって描かれたフレスコ画で有名で、街の景観や建物の外観ばかりを見たこの旅においては、唯一といってよい建物内部の見物を目的に訪れた。

教会内の壁一面に描かれたフレスコ画はとても評価が高く、観光客に人気となっている。ただ、絵の保護のため入場は制限されていて、1回につき25人(2014年当時のガイドブックが手もとになくネット情報です)、鑑賞時間はわずか15分。原則予約が必要で、いつも予約でいっぱいだという。

このときの僕は予約はなく、直前に出るかもしれない予約のキャンセルを期待しての訪問だったと思う。

見学申し込みの窓口(カウンター)に行ってみると、「何人ですか?」 「一人」 「それでは○時×分でどうですか」という感じで、かなりあっけなく受け付けてもらえた。

ネット上にある色々な旅行記を見ると、ここのフレスコ画、フラッシュをたかなければ写真撮影が可能なようだが、この旅行での僕の写真データには1カットもない(パドヴァのものが全然ない)。

鑑賞時間がわずかなので、見ることに集中して写真は撮らず、退場後、印象に残った部分を写した絵葉書を買ったのだと思う(家のどこかにあるはずなので、今度発掘しよう)。

スクロヴェーニ礼拝堂を後にした僕は、パドヴァ駅に戻り、16時前の列車(EC)でミラノに向かったが、パドヴァの旧市街には趣のある街並みや建物が多くあるようで、街歩きをしておけばよかったと後悔している。

18時前、ミラノ中央駅到着。

その日の夕食は中央駅近くのセルフ・レストランでとった。イタリアのセルフ・レストランはどこも同じじようなシステムで、簡単な料理は目の前で調理してくれる(パスタ類は鍋からとって盛り付けてくれるのだけれど、次から次へと注文が入るので、よほどタイミングが悪くなければ、割と出来たてを盛り付けてもらえることが多い)。

そこのレストランには肉を焼いてくれるコーナーがあって、グラム数で注文するシステムだった。

客が「〇〇グラム」と注文すると、その場で肉の塊からそのグラム数だけを切り取り、それをすぐに調理してくれるというシステムだった。料金はグラム数で決まる。

僕は肉は少しでよかったので「100グラム」と、イタリア人ならば、たぶん「お前それっぽっちでいいのか?」と思われそうな少量をお願いした。切ったあと秤の上に載せて「これでいいか?」と聞かれるのだけれど、デジタルの秤が示した数字は176グラム。切る方もプロなんだから、ちょっと大き目の120グラムくらいになってしまうのは仕方がないと思うが、注文した倍近い重さ。この大雑把さ、いいなあ(もしかしらた新人?)。

そこからさらに、「いやちょっと多すぎる。もっと小さく切って」と頼むことも可能なのかもしれないが、言葉の問題もあるし、小さく切られた部分がどうなるのか? ということも考えて「オーケー」と答えた。当然、客である僕は176グラムでよいと言ったわけで、金額も176グラム分となるのが当然だと思うが、焼きあがった肉と一緒にくれたレシートというか(メモだったか?)には「100グラム」とある。

最後にトレイに載せた料理、飲み物などを持ってレジまで行って料金を払うのだが、レジの人は肉の分については当然「100グラム」分の金額を入力する。店にとってはけっこうな損失だ。大丈夫なのか、このレストラン。

数年後、ミラノを訪れた際、このレストランの前を通ったので中をのぞいてみたが(窓ガラス越しに中が見えた)、どうもセルフレストランではなくなった感じ(経営が変わった?)。大雑把な経営により赤字になってつぶれてしまったのでなければよいが。考えすぎか?