アニ遺跡で肝心なものを見落とした?
さて、またまたトルコである。
今回のメインは東部トルコ、アルメニアとの国境にあるアニ遺跡である。
アニは10世紀後半に、アルメニアの都がここに遷されてから急速に発展したところで、シルクロードの中継都市として、また、アルメニア教会の主教座が置かれた宗教の中心地として栄えた町だが、今は廃墟となっている。
随分前から行こうと思っていたが、トルコとアルメニアとの関係の悪化から、せっかく遺跡へ行っても写真撮影不可という時期があり、訪問を先送りしていた。そのうち、写真撮影が可能になったが、旅の関心があちこちに向いていたこともあり、2012年の夏になってやっと訪問ということになった。
しかし、日程上ちょっと制約があった。まず、例年よりも連続して仕事を休めない。帰国前に職場の先輩とパリもしくはパリ近郊で1日すごしたい。ということでかなりキチキチの日程となった。
まず、パリに滞在する必要があるので、成田-パリ往復のJALの特典航空券を押さえた。そのうえで、パリ-イスタンブールの格安航空券をネットで購入。トルコ国内はどこかで列車でのんびり移動と考えたが、結局、日程上難しいことがわかり、ネットでイスタンブール-アンカラ-カルス(アニ遺跡最寄の街)、カルス-アンカラの航空券を確保。復路のアンカラからイスタンブールの航空券を買わなかったのは、どうしても陸路移動をしたいからである。空路の移動ばかりだと味気ない。
ちなみに、成田-パリ往復の特典航空券はキャンセルして、正規の割引チケットを買いなおした。色々と計算すると特典航空券は国内線で使った方が得になりそうだったからである(国内線だと燃油サーチャージもかからないし)。
8月某日、成田を出発、パリですぐにイスタンブール行きに乗り継いた。
イスタンブールでの宿泊はかなり高くつくが、空港のホテル。というのは、翌朝のアンカラ行きが早朝便だから。
翌朝、イスタンブールを6時10分の便で出発、7時15分アンカラ着、アンカラで9時15分の便に乗り継ぎ、10時半すぎカルス着。カルスの空港から市内へ向かうにはシャトルバスの類がなく、タクシーの一択。11時ころ、ホテルにチェックイン(予約なしでの飛び込み)。
カルスは標高1750mのところにある街で、8月の下旬ならばかなり涼しいと思っていた(朝晩は10度以下になるのが普通)。しかし、湿気はないものの意外と気温は高い感じ。
昼食後、いよいよアニ遺跡へ向かった。
アニ遺跡へ行く公共の交通機関はなく、タクシーをチャーターするしかない。料金は100リラ(約5000円)だった。
アニ遺跡へ入って行く。高原のさわやかな風に吹かれての遺跡散策を思い浮かべていたが、けっこう暑い。 |
1001の教会をもつ町と呼ばれていた面影はまったくない。 |
遺跡の地図を見ないで適当に歩き、「この遺跡の有名なとんがり屋根の教会は修復中か。。。」と思ってしまったのが間違い。有名な教会はこれとは逆の方向のうねうねとした地形に隠れて建っていた模様。肝心のものを見落としたようだ。まったくアホである。 |
セルジュク朝時代のモスク。 |
モスクの中から。 |
川の向こうはアルメニア。 |
大聖堂。 |
大聖堂(手前)と教会(奥)。 |
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遺跡の入り口にあたる城壁の部分。異なる色の石を組み合わせて模様が作られている。 |
というわけで、肝心の教会は見落としたようだ。まったく何をやっているのか? ただ、トルコ東部には、まだ課題が残っているので、再訪のチャンスがあるかもしれない。
カルスの街。 |
ロシアがカルスを占領していた19世紀建造の教会。その後、トルコ領となりモスクへと改築され、ミナレットが付け加えられた。 |
1泊しただけでカルスとはお別れ。これは帰りに撮った空港の入り口。田舎の小空港という感じだ。 |
ターミナルとはいえないような旧ターミナルのすぐ横では新ターミナル(?)建設中。 |
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