シディ・ブ・サイド <7日目(8月22日)>チュニジア滞在も残すところ2日である。明日はイタリアへ移動だから、観光できるのはこの日だけだ。 まず、以前ルアージュの車窓から眺めただけのザグーアンの水道橋を見に行こうと考えた。 2世紀にザグーアンからカルタゴまでの間に132㎞にもおよぶ水道がひかれたのだが、その一部が水道橋でつながれており、現存箇所だけでも20㎞も壮大なものである。しかし、交通が非常に不便で公共の交通機関ではなかなか行きにくい。ということで、旅行外会社を訪れ、車を雇えないかたずねた。しかし、あいにく空きの車はなく、流しのタクシーと交渉してみることを勧められる。 アラビア語、フランス語ともにまともにしゃべれないので交渉は難しそうだが、チュニジア駅前でとりあえず車をつかまえることにした。ところが、チュニスは慢性的なタクシー不足でなかなかつかまえられない。おまけに、交渉には時間がかかるだろうから、渋滞のなかで車をつかまえるのは避けたいので、車がやや少ないところで待つしかなかった。 ようやくつかまえたタクシーの運ちゃんに地図を見せて交渉を始めるが、値段の交渉に入るまえに、「チュニスのタクシーはチュニス市内だけ」「バス、ルアージュとかで行け」というようなことを言われ、ジ・エンド(言葉を理解できるわけではないので、正確にはわからないが、行けないということはわかった)。 どうやら真面目な流しのタクシーの運転手はだめみたいだ。動き始めたのが遅かったので、昼も近い。一応、シディ・ブ・サイドやカルタゴも再訪しておきたいので、あまり時間はない。さらに交渉するか、別の旅行社をあたるか、いろいろ考えた結果、ザグーアンの水道橋は次のチュニジア訪問のエネルギー源としてとっておくことにしてシディ・ブ・サイドへ向かった。
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