スベイトラ <2日目(8月17日)続き>定刻の14時半のローマを飛び立ったアリタリア航空機は15時半少し前にチュニスに到着。 空港ビルを出ると、ローマとは違いかなり暑い。しかし、以前8月に訪問したときよりは涼しく感じる。 市内まではタクシーでとも考えたが、勝手知りたる国だし路線バスで、という思いが急に頭をもたげてきた。30分ほど待ってバスに乗り込み、チュニス市内へ出た。しかし、バスはホテルがたくさんある鉄道駅の近くまでは行かないので、あまりお勧めしない。料金は0,45ディナール(約45円)、15分でTGMのチュニス・マリン駅のそばにある市バスステーションに到着。ここから鉄道駅までは1キロくらいだか、市内電車(メトロ)に乗り、鉄道駅前のバルセロナ駅(バルセローナと後ろ側にアクセントがあるようだ)まで行った。 数年前の夏、エアコンなしの部屋に泊って往生したので、エアコン完備の三ツ星ホテルを選択。ドアノブには、例の「起こさないで下さい」の札があり、それなりのランクのホテルを感じさせるが、もう一枚奇妙な札が。。。読んでみると、「部屋の修理願い」だった。項目は、トイレ、バス、電球など。故障が多いのか? <3日目(8月18日)> 今日は、ケロアンまで出て、その足でケロアン南西約100キロのところにあるスベイトラまで行き、スベイトラ泊といきたい。 『地球の歩き方』の地図と過去の記憶を頼りに、南方面行きのルアージュ・ステーションへ向けて歩いていった。距離は1キロくらいだから徒歩圏内である。 しかし、南バスターミナルは地図通りではあったが、ルアージュステーションが大きく様変わりしていた。かつての巨大ステーションはなくなり、チュニス近郊行きのルアージュが発着する小さなステーションしかないのである。(あとからわかったのだが、ケロアンやスースなどへ行くルアージュはモンセフ・ベイのルアージュ・ステーションに移っていた。色々と尋ねたときに「モンセフ・ベイ」という地名が出てきてはいたのだが、いかんせんフランス語ができないので何を言っているかわからなかった)。 さて、困ったことになった。タクシーを使ってそのルアージュ・ステーションへ移動しようと思い、ルアージュの運転手にケロアン行きのルアージュについて尋ねると、よしわかったという感じで「3ディナール」というではないか。どこ行きかはわからないが、彼のルアージュがそのステーションを経由する車で、「3ディナール」で乗せていってくれるのかと思って乗り込んだ。しかし、それはただの希望的観測である。 走り出すと、どんどんチュニス市内を離れている雰囲気で、ケロアンへのルアージュが出るステーションに向かっている感じはない。ははあ、このルアージュの到着地で、ケロアン行きのルアージュに乗り換えろということなのだなと思った。 9時40分にチュニスを出たルアージュは、10時15分にハマメット到着。5分後にケロアン行きのルアージュが出発。まったくよい接続である。 11時30分にケロアンに到着。予定通り、スベイトラ行きのルアージュに乗り継いだ。 12時15分、ケロアン出発、13時25分、スベイトラ着。 スベイトラの街から遺跡までは2キロくらいある。空は薄い雲に覆われているが、それでも暑い。なるべく日陰を選びながら、ゆっくり歩いて行く。 歩くこと30分弱、広大な遺跡が見えてきた。が、遺跡に入場する前に、遺跡の向こう側に見える丘にあるホテルにチェックインすべく、さらに歩いた。遺跡の夜明けを見たかった。ただ、ホテルらしき建物に近づいていくと、ホテルから遺跡が一望できる感じがあまりしないこと、遺跡の周囲は完全に柵などで囲まれており、夜明けに遺跡内を歩くのは難しそうなこと、また、朝焼けをみるならば、遺跡の入口近くにあった「ホテル」の方がよさそうなことから、来た道を戻ることにした。往復で2キロは余計に歩いたかと思う。それで、遺跡入口に近い「ホテル」に行って部屋はないかと尋ねると「ホテルではない」というではないか。なんとレストランだけの営業だという。さて、また、丘の上のホテルをめざすか? そんなに歩くエネルギーは残っていない。結局、朝焼けはあきらめて、遺跡見学後、ケロアンに戻ることにした。
遺跡を出たあと、遺跡前の休憩所兼お土産やさんみたいところに寄った。不便なところにある遺跡だが団体客がけっこう来るようで、割と立派な施設だった。 そこの一軒の土産物屋の少年に忠告された。「ケロアンまでのルアージュの料金は5.5くらいだけれど、観光客には10とか行ってくるから気をつけてね」と。チュニジアではルアージュに数多く乗っているが、他の客よりもたくさん請求されたことはなかったので意外だったが、実際にルアージュステーションに行ってみると、「本当に10を要求された」。こっちはケロアンから5.4で来たから、5.4きっかり払おうと思ったが、残念ながら細かい金がなかった。10払って、もらえたお釣りは3、完敗である。他にもルアージュがあれば、「じゃあ乗らない」という手が使えるが、もう16時を過ぎており、ルアージュステーションとは名ばかりで、今のところ、客待ちをしているルアージュはこの1台だけだった。乗るしかあるまい。 ケロアンに戻った僕は、奮発してホテル・ラ・カスバという五つ星ホテルに部屋をとった。メディナの一角にある外見は要塞のようなホテルである。部屋からはメディナの家並みが眺められた。
ホテルに落ち着くころから雲行きが怪しかったが、夕食をとるため外出すると、雷鳴がとどろき、大粒の雨が降ってきた。僕は傘をさしてレストランへ向かったが、地元の人たちは思い思いに雨宿りをして、ひたすら雨雲が過ぎ去るのを待つつもりのようだった。こうした夕立は時々あるのだろうか? 雨は1時間くらいであがったが、気温はあまり下がった感じはせず、ムシムシして暑苦しくなった。乾燥したカラッとした暑さを想像してきたので予想外である。 |