サグレス


ポルトガルづいている。

ここ4年で3度目の訪問である。

さて、今回はイベリア半島の西南端をめざすことにした。行き先決定のヒントとなったのは沢木耕太郎『深夜特急』。この本は一度ざっと読んだだけで、深く読み込んだわけではないのだが、著者がユーラシア大陸の「果て」にたどりついたところの記述が強く記憶に残っていた。

1987年以来、何回もの訪問を繰り返して、2010年、ユーラシア陸路横断を終えたが、その終着点は、当然、ユーラシア大陸の最西端に位置するロカ岬とした。しかし、イベリア半島の西南端にあるサグレスがずっと気にかかっており、それは『深夜特急』で「果ての岬」として描かれていたことも大きかった。

ということで、今回のポルトガルの旅では、まずサグレス最寄の街ラーゴスをめざすことにした。

仕事の合間を縫っての旅程であるため、ポルトガル滞在はわずか3泊という強行軍である。

2103年4月某日、成田を出発、ロンドンで乗り継ぎ、現地時間の22時45分頃、リスボン到着。地下鉄でオリエンテへ移動して、予約しておいた駅前のホテルにチェックイン。

2日目の朝、リスボンの空はどんよりと曇っており、気温もかなり低い。天気予報ではこれから向う南部もあまり天気はよさそうではない。8時24分のファーロ行きに乗る。チネスというところで普通列車に乗り換え、12時10分頃、ラーゴス到着。

寒くはなかったが、ときどき霧雨が降るという、あいにくの天気。

昼食を食べてから、13時35分発のサグレス行きのバスに乗った。

14時40分頃サグレス到着。バスを降りると、民宿(一般の家の空いている部屋を旅行者に貸している)のおばさんが客引きに来た。しかし、サグレスに泊るかどうかは、まだ決めていない。この先の旅程を考えると、ラゴスで泊った方がよさそうでもあるし、翌朝まで滞在して晴天の下、岬を見たい気もする。また、泊るにしても、自分で立地などを確かめて宿を選びたい。ということで、オバサンには悪いが断って、岬の要塞(16世紀に築かれ、18世紀半ばの大地震後に再建)に向けて歩き出した。

歩くうちに雲が薄くなり、青空も見えてきた。これで、ラーゴス泊決定である。



サグレスは閑散とした街だった。



岬の要塞に通じる道(帰り道に撮影)。



要塞を抜けて岬の方へ向う。最果て感満載だが、実はここの岬はイベリア半島の西南端ではなく、サグレスから北西へ6キロくらい行ったところにあるサン・ヴィセンテ岬というところが西南端だそう。



断崖絶壁の上で釣りをする人がけっこういた。



雲はあるが、気持ちのよい散策日和。



要塞内にある礼拝堂。



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