マドリッド(スペイン)-エヴォラ(ポルトガル)


マドリッドからは一気にポルトガルに入るべきか、それともローマ時代の遺跡が残るメリダに1泊してからポルトガルにはいるべきか、迷いに迷った。

この日は日曜日で、スペイン側の国境の町バダホスからポルトガル側の国境の町エルヴァスまでのバスの便がないのである。しかし、幸いにして二つの町の間の距離は短く、タクシーで25ユーロくらいらしい。折からの円高・ユーロ安のため、とんでもない負担というわけではない。

メリダのローマ時代の遺跡も魅力的だが、ここで頑張って先へ進めば、ポルトガルのモンサラーシュという小さな村へも行けそうだ。

ということで、一気に国境を越えることを決意。



バダホス行きの列車。



車中から見た、メリダの水道橋。


定刻の9時53分に出た列車は、定刻から10分遅れて15時50分にバダホスに到着。



バダホス駅。


バダホス駅を出てみたが、客待ちのタクシーはいない。列車が到着したときにわずかな客が出てくるだけで、少したつと客がいなくなるので客待ちの意味がないのである。

テレフォンタクシーの看板があり、電話でタクシーを呼ぶことは可能なようだが、スペイン語がまるでだめなので、それは最後の手段ということにして、駅の近くにタクシー会社があるかもと思って、少し歩いてみる。が、とにかく暑い。タクシー会社探しは早々に断念して駅に戻った。

適当なスペイン語でテレフォンタクシーを呼ぼうと、電話番号の確認のため、駅の外にある看板を見に行ったところ、運良くタクシーがやってきた。

エルヴァスまでの料金を聞くと、「25」だという。もちろん車に乗り込む。

走り出すとメーターで走ってくれることがわかったが、メーターだと逆に高くならないかと心配になる。遠回りをするのではないかとか(笑) タクシーはしばしばぼったくるという固定観念がある。

タクシーは綺麗な舗装道路を疾走していく。国境でのチェックはないから、どこが国境なのかもわからない。

詳しいメモをとっていないのでどれくらいの時間走ったのかはわからないが、ポルトガル時間の15時40分、エルヴァスのバスステーションに到着した。

メーターは21.5ユーロくらいの表示だった。運転手が最初に言った料金より随分安いではないか。ぼったくられるというのは杞憂におわった。まあ、よく考えれば、こんな不便なルートの国境越えをする外国人旅行者も少ないだろうから、悪徳タクシーが跋扈する可能性も少ないのであるが。

雲助タクシーと疑ってしまってすまないという気持ちもあって、30ユーロを支払い、お釣りのうち5ユーロだけ受け取って、あとはチップとした。しかし、ちょっとチップをはずみすぎたか?



エルヴァスのバスターミナル。


さて、エルヴァスまでは来たものの、ここからエヴォラへ行くバスがあるかどうかは不明である。英語が通じるかどうか不安だったが、切符売り場にいた男性にエヴォラ行きのバスについて尋ねると、16時のバスがあるということがわかった。エルヴァス泊という事態にはならずにすんだ。


17時半ころエヴォラ到着。

天正の遣欧使節も滞在したこの街は、ローマ時代から17世紀くらいまでの様々な建造物が残されており、世界遺産にも登録されている。



エヴォラの町並み。



2~3世紀に建造されたディアナ神殿(手前)と12~13世紀に建設されたカテドラル(奥)。







 back 海外旅行記index top next 

home