開平第一楼を訪ねて
2008年の1月に開平のちょう(石偏に周という字)楼を見てきたが、まだ見足りない感が残っていた。そこで、2009年4月、まずは香港に飛んだ。
前回の開平行きの旅では、香港から船で中山へ、中山からバスで江門へ、さらにそこからバスで開平(江門内だが、江門のバスターミナルからは1時間半もかかる)へという複雑なルートをとったが、今回は香港から鉄道で深せん(土偏に川という字)羅湖へ出て、そこで越境してそこからバスでダイレクトに開平へ向かうことにした。
香港のホテルは香港島側にとっていたので、まずスターフェリーで九竜側へわたり、8時40分の電車で羅湖へ。
今回の旅のスタートライン香港。 |
9時25分ころ羅湖着。ここから徒歩で中国側へ越境。香港側で出境審査があり、さらに中国側でも入境審査があるのだが、意外と時間はかからず、25分くらいで越境は完了。
越境してすぐのところに、深せん羅湖のバスターミナルがあり、とても便利。
9時55分にターミナルのチケット売り場に着いたが、運よく10時5分発の開平行きがあった。ここまで乗り継ぎがピタッとはまると気分がよい。
開平行きのバス。 |
13時45分ころ、開平長沙バスターミナルに到着。すぐにバスターミナルからあまり離れていないところにある、維港酒店というホテルに部屋を確保(1泊188元)して、マクドナルドで遅い昼食。
さて、これから目指すのは、蜆崗鎮の錦江里村というところにある瑞石楼。「開平第一楼(開平ナンバーワン)」といわれているちょう楼で、1925年建造された高さ25m9階建ての建物である。
長沙のバスターミナルから蜆崗方面へのバスに乗ろうとすると、親切なターミナルの兄ちゃんが、英語で「どこへ行くのか」と聞くので、地図を見せて「瑞石楼」を指差すと、その近くでバスを降りることを勧められ、運転手に瑞石楼のそばで降ろしてくれるように伝えてくれた。個人のちょう楼観光の外国人が増えているのだろう。
バスに揺られてしばらくすると、沿道に例の奇怪な形をしたちょう楼が見えてきた。開平にはたくさんのちょう楼が残っているのだ。
長沙ターミナルを出て20分、運転手が降ろしてくれたのは、瑞石楼と思われる建物(幹線道路から見える)を通りすぎてしばらくしてから。もしかして、忘れていましたね。運転手さん。
なかなか瑞石楼のある錦江里村は入っていく道がみつからず、迷いながら歩いたが、これがかえってよかった。田んぼ越に瑞石楼を眺めることができたのである。
来たぞ瑞石楼! ただ、田んぼの向こうには川が。さらに歩くと橋があった。 |
このへんでは耕作に普通に牛が使われていた。写真ではわからないが、この牛こっちをにらみつけている感じ。この辺の牛、実は気性が荒いのかも、ということは後からわかる。 |
村の門。 |
村の門をくぐって中に入って行き、村の人に「ニイハオ」と挨拶しながら歩いていくと、おばあちゃんたちが「ハイロー」「ハイロー」と声を掛けてくる。「ハイロー?」何という意味の中国語だ?と思っておばあちゃんたちの方を見ると、どうも挨拶をしているよう。「ハロー」と言っているのだなと理解した。
その中の一人が大声で瑞石楼を管理しているおばちゃんを呼んでくれた。おばちゃんは瑞石楼の方へ僕を連れて行き、そこで、ポケットからお札を引っ張りだし、そこから30元を取り出し、僕に見せる。瑞石楼の中の見学料金は30元と言っているのだ。ちょっと高いかもしれないが、ここまで来て、瑞石楼に登らずに帰るのはもったいないので言い値で応じる。(これを書いている2012年現在はここも他の村同様に村に入る際に入場券を買う仕組みになっているらしい。また、『地球の歩き方』には「瑞石楼の内部を見学したい場合には住民に要相談。10元ほど支払えば許可してくれることもある」とある)
これは瑞石楼見学後に撮ったもの。おばさんに案内されて行ったときは、扉は閉じられ鍵がかかっていたと思う。 |
最上階への階段だったか? |
改めて瑞石楼を見上げる。 |
ニワトリとヒヨコ。鳥インフルエンザに注意? |
さて、錦江里村から開平にはどうのようにして帰ればよいものか? さっきバスを降りた道路沿いに出て、開平行きのバスをつかまえるという方法もあるが、あてずっぽうに蜆崗の街をめざして歩くことにした。田んぼに囲まれたのどかな田舎道を。
しかし、錦江里村の門を出てすぐのところで、問題発生。ロープでつながれてはいるものの、細い道のほぼまんなかに牛が。これがけっこう曲者で、気性が荒いのである。横をそろりと抜けようとすると、頭を下げて、後ろ足で地面を蹴る姿勢に入った。闘牛で牛が闘牛士に向かって突進する姿勢を想像してもらえればと思う。ロープでつながれているとはいえ、ロープの長さはけっこうあり、ものすごい恐怖である。僕が超ダッシュでそこを通り抜けたのはいうまでもない。
振り返って錦江里村方向を眺める。道がしっかり舗装されているのは観光地化のせいか? |
そこかしこにちょう楼が。 |
蜆崗の街には着けた。しかし、バス停らしきものはない。ということで、街の人と筆談。どうやら、街にはバスターミナルというか停車場のようなものはないようで、その人は幹線道路の方を指差さす。いわれるままに行って見るが、そこにもバス乗り場のようなものはない。ということは、ここでバスが来るのを待ち、来たら手を上げてとめるのだと了解。
さびれてはいるが古い洋風の建物が並ぶ蜆崗。 |
蜆崗。 |
ほどなくバスが来たが、運転手はさっきの運転手。そんなに多くはないバスをうまくつかまえられたという感じだ。料金は前払いだが、細かい金がないというと、そばの店の方を指差して、そこで両替して来いというジェスチャー。ということで、いったんバスを降りて両替して(店のおばさんは何の文句も言わず両替してくれた)再度乗車。開平1日目の観光は無事終了。
夕暮れが近づく開平。左手前の建物がこの日泊ったホテル。 |
夕食を食べるところを物色して歩いていると、回転すし屋が。 |
この日の夕食はこれ。□(保の下に火という字)仔飯という広東風釜飯。店の前で調理していて、ボールに入れられた色々な具材があり、それを指差して入れてもらえた。具材のアレンジは自由のようだ。僕が注文したのは豚肉釜飯。スープ付きで8元(お茶はサービス)。 |
|