船旅イスタンブール |
香港に九龍と香港島とを結ぶスターフェリーという船がある。ほんの数分の乗船時間なのだが、香港の摩天楼を眺めながらの移動はとても贅沢な時間に感じられる。沢木耕太郎は『深夜特急』で、このスターフェリーのことを”60セントの豪華な航海”と書いた。60セントが日本円でどれぐらいの額だったのかはめんどうなので調べていないが、わずかな額であることは間違いない。なぜ、イスタンブールのことを書いているのに香港のことを書いたのかというと、イスタンブールにも、そんなにお金をかけずに豪華な航海を楽しむことができる航路があり、かなりの回数乗船しているからである。 イスタンブールにおける”豪華な航海”の最たるものはガラタ橋の近くのエミノニュと黒海近くのアナドル・カヴァとを結ぶボスポラス海峡クルーズだろう。これは観光船なので人々の普段の足であるスターフェリーとは性格が異なるが、所用時間は片道1時間半、料金は日本円で片道1000円未満(これは2010年代前半の金額であり現在はまったく異なると思う)、手軽に利用できるという点は変わらない。 ボスポラス海峡クルーズ船には1990年、1993年、1994年、2002年、2015年に乗っており、往復利用したのは2015年のみだと思う。
イスタンブールで香港のスターフェリーになぞらえるのにふさわしいのは、ヨーロッパ側とアジア側とを結ぶフェリーだと思う。所用時間はスターフェリーより随分と長く、エミノニュ~ユスキュダル路線が15分くらい、エミノニュ~カドキョイ路線(途中ハイダル・パシャ駅に寄るのだったか?)が30分。トプカプ宮殿とかアヤソフィアとかを船から見られるので気に入っている。(カラキョイ~カドキョイ路線とかスィルケジ~ハレム路線とかもある)
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