トルコ東部に標高2150mのネムルート山という山があり、この山頂に、さらに砕石を高さ50m、直径150mの円錐形に積み上げた墳墓がある。紀元前2~前1世紀頃に栄えたコマゲネ王国のアンティオコス1世の墓である。山頂付近の東西には10mほどの首のない石像が5体ずつあり、その下には石像から転げ落ちた大理石の首が並んでいる。石像はギリシアの神々とペルシアの神々からなるが、1体はアンティオコス1世自身である。王は自らを神々と並ぶ存在と考えていたらしい。
*インプレッション
2000mを超える山の山頂に神像群が並ぶさまは、何か不思議な印象を与える(神像の頭部が無造作に並ぶことがその不思議さを一層強めている)。また、夕暮れ時、神像群が夕陽に染まっていくさまは、感動的ですらある。 |