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高度プロフェッショナル制度(高プロ)について、もう一度

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法律を作る際にはその根拠となる立法事実が必要。

高プロの立法事実は「労働者のニーズ」というのが政府の説明。

「具体的にどんなニーズがあるのか」ということを野党が問いただした結果出てきたのが12人からヒアリングしたというデータ。

しかし、このうち9人は、野党に問い詰められた後のヒアリングだったことが明らかになり、さらに残り3人についても、高プロの対象者でなかったり、法律をつくる時点では聞いていないことがわかり、結局、「労働者のニーズ」というのは政府のでっち上げだったことが明らかになった。

立法事実がない以上、法案は取り下げられるのが筋。

しかし、首相は、国会で、高プロは経済界や学識経験者から制度創設の意見があって法案に盛り込んだと答弁(完全な開き直り)。

そして、今まさに参議院の厚生労働委員会において強行採決されようとしている。

こんなもことを許している一因が、高プロの本当のところが世間一般に知られていないということにある(マスコミの責任は本当に重い!)

・多くの人は「年収1075万円以上の金融ディーラーやコンサルタントなど限られた専門知識を持った人が対象」なので自分には関係ないと思っている。

・しかし、この法案のどこにも、年収1075万円以上などとは書かれていない。

・「高プロ」では、時間外労働や長時間労働、残業代を支払わないなどという行為は、すべて合法化される。なので極端なことを言えば、1ヶ月に4日だけ休ませれば、あとは24時間休みなく働かせることも可能。

・会社側がもとめる成果(ノルマ)を達成できない場合、ペナルティもありうる。つまり、年間1100万という契約であったとしても、ノルマを達成していないということで大幅に賃金を削られることもある。(なるほど経営者側にニーズにぴったりな仕組み)


・「高プロ」の対象者は、「一部の高度な専門職」と思い込んでいる人もいるようだが、対象となる職種は法律には書き込まれておらず、国会に諮らなくても、厚生労働省の省令でいくらでも拡大できるようになっている。

・どんどん職種が拡大していくだろうことは、最初は一部の専門家が対象だったはずの「労働者派遣法」が、今では派遣業種は原則自由になっているのをみれば想像がつく。

・経団連はかつて「高プロ(以前のホワイトカラー・エグゼンプションの時)」対象者は年収400万円以上」と言っていたので、適用対象者の年収のハードルも下げられていく可能性がある(というか高い)。

こんな法案を審議においてはごまかしの連続、そして最後は強行採決しようとしている。そして、こういうやり方はこの法案に限ったことでないのだ。日本の議会制民主主義が壊されていく。ため息が出るばかりだけれど、だまって見ているわけにはいかないと、改めて思っている。

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