1.憲法改正とその体制の維持
①戦前の支配層の子孫である世襲議員が改憲を主導しており、彼らは明治憲法体制に郷愁をもっている。で、どのような憲法を作りたいと考えているのかというと、国家主義的性格が濃厚、天賦人権も認めず国民の権利を公益・公の秩序の維持を根拠に制限できるようにする、つまり国民を支配層の思う枠内にとどめてこうと意図。
②形式的には国民主権・議会制民主主義を残すことになっており論理的には上記のような憲法体制を構築したとしても、政権が打倒される可能性を残してはいるが、そうはさせない仕組みを色々と構築しているし、さらに進めるという感じ(これは至極当たり前のこと)。
(ァ) 所得による教育格差を半ば放置→上流層の子供がより多く大学、それも一流と呼ばれる大学に進学→官僚・大企業の社員に(一部は幹部になり経済界をリード)
(イ) 道徳教育などにより国家に従順な国民を増大させる。
(ウ) マスコミを巧妙にコントロールして国民に正しく判断できるような材料を与えない。
2.政権を支える経済界(グローバル企業など大企業・旧支配者層と密接につながっていた旧財閥系の企業など)の利益を第一に考える経済政策
①TPP協定:貿易の自由化という面が強調されるが実態はグローバル企業が活動しやすくなるような仕組みを構築という性格が濃厚
②大企業の国際競争力を維持させるため労働者(大企業を除く)の低賃金が続くことを半ば放置
③多くの国民の所得の低迷による内需低迷を背景とするGDPの低迷をグローバル企業の利益増大によって埋め合わせ、国の経済規模は維持→経済大国として体面は維持(大企業の利益増大がめぐりめぐって庶民にも回って来るということはないというのは、この間の経済状況を見ても明らか)
3.国際社会における軍事的プレゼンスの向上をめざす姿勢
・第一次大戦後、日本は5大国の一角をしめていたが帝国主義国家としては後発国で、国際政治は米英が主導していた。そして、1922年、ワシントン会議において九か国条約なる条約が締結され、中国における権益確保の原則が取り決められたが(門戸開放・機会均等、それと中国の領土保全)、日本はそれを破るかたちで中国権益拡大を図り、最終的には満州事変に始まる15年戦争に突入していった。この九か国条約に見られる米英の主導によるルールの決定により不利益を被ったという被害者意識が旧支配層にはあると思われる。そこで今度は日本はルールを決める側の立場を確保し、その地位を維持したいという意思が自民党の政治家特に旧支配層の子孫には感じられる。それが表れているのが、安保関連法制に見られる国際的な軍事的プレゼンスを向上をめざす姿勢。つまり単に経済大国であるばかりでなく(国民個々の生活状態を見ると本当に経済大国かよという感じですが)軍事的プレゼンスも向上させて(世界の警察として行動することが厳しくなってきたアメリカの役割を補完するという感じなので、小林節氏が講演などが使う「自衛隊が米軍の二軍化する」という表現は言いえて妙という感じ)、国際社会での発言力の強化→経済面も含む様々なルールを決める際主導権をにぎることができるような立場を得たいという意思があるのでは? ただ、軍事的プレゼンスを高めるというと国民の反対にあうかもしれないので、やたらと北朝鮮や中国の脅威を強調する。
以上、きわめて大雑把に見てきましたが、自民党は、というかその中心にいる旧支配層の子孫たちは、一般国民一人一人の豊かな生活ではなく国家の利益をめざし、そのなかで、戦前の支配層の子孫・財閥の系譜を引く企業やそこに連なる階層が未来にわたって安泰でいられるような体制を構築しようというしているように思えるのですが。。。
※ところで、本日午後、昨日の記事に修正を加え加筆しました。
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