18日、国会前に行ってきた。3夜連続である。
参議院での採決が未明に行われるということで、デモは今日(19日)未明まで続いたが、金曜の夜ということもあって、23時を過ぎても閑散としていくことはなかった。最後まで見届けたいという気持ちもあったが、連夜の狭い中での5時間余りの立ちっぱなし、ゲストのスピーチの時間をのぞいてのコールしっぱなし。かつてコンサドーレのゴール裏でコールに加わっていたものといてのプライドもあって(笑)、周囲の人たちに負けない声量を維持しようと無理もした。ということで、やはり23時半ころにはエネルギー切れ。始発で帰宅するという選択肢もなくはなかったが、結局は離脱を選択。
帰宅すると、テレビでは安保関連法案の採決を行うための参議院本会議が中継されていた。民主党の福山氏、維新の党の小野氏、共産党の小池氏の反対討論は、今国会での審議の問題点、法案の問題点を改めて浮き彫りにさせるものだった。今国会の最終盤における野党議員の諸演説はにおいても同様のことがいえると思う(全部は見ることはできていないのだけれど)。
法案は通ってしまったが、各地で反対の行動を続けてきた人々に落胆のムードは漂ってはいない。それは、当初、7月で決着がつくだろうと思われていた国会論戦を9月の中旬まで引き伸ばさせることができた要因の大きな部分は、いまだかつてないほど多くのデモや集会が行われたことにあると思われるからだ。それらが報道されることにより反対の動きが可視化され(一部の大マスコミは政権の考えを忖度してできる限りデモの動きを小さく見せようと努めていたようだが)、多くの国民に考えるきっかけを与え、それがさらに運動を拡大させ、そしてそれが政府への圧力となったことは間違いのないところだと思う。
それでもデモの意義を認めたがらない冷笑者たちは、「結局、法案は通ったじゃないか」と言うかもしれない。しかし、闘いはここで終わりではないのだ。この間(かん)、いまだかつてないほどに広がった運動は、すでに次の段階へと向かって動き始めている。ここ数日、デモのコールに「賛成議員は落選させよう」というものが加わった。そして、この運動は、当面、今回成立した法制に対して起こされるであろう違憲訴訟(憲法学者で慶應義塾大学の小林節名誉教授は「法律は憲法9条に違反し、平和に暮らす権利が損なわれる」として、研究者などおよそ100人の原告団を作り、今後、国に賠償を求める訴えを起こすことにしている-NHKニュース)などとも連携をとりながら来夏の参議院選挙を目標に続けられと思う。もちろん、その先の選挙・自公政権打倒も視野にいれつつ。
しかし、運動は政権交代で終わりではなく、再び憲法を無視した、なんでもありの政治を実施するような政権を誕生させないような動きとして、ずっと続くと思う。人々がいったん政治に対して無関心になってしまうと、今回のようなことが起きてしまうことを人々は学んだからだ。
6月5日、梅雨の季節、強い雨のなか、SEALDsの主催するデモに参加してからすでに3ヶ月強、いつの間にか、キンモクセイの香りの漂う季節になった。戦争法案成立阻止をめざすデモはとりあえず終了したが、立憲主義・民主主義・平和主義の擁護を求めて闘った人々は、その歩みを止めない。
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