ガラタサライの試合を観戦

<4日目続き>
昼食が重かったので、ホテルに戻る途中にパンを購入して、それを夕食とする。

キックオフは20時55分というすごい時間なので、まだまだ時間がある。

ところで、なぜそんなに遅いキックオフなのかだが、テレビ放映の関係なのだと思う。

対戦相手のベンフィカはポルトガルのチームで、19時はポルトガル時間では17時、20時でもポルトガルでは18時なので、ちょっと早い。21時だと19時で、まあなんとかという感じ。実際、この2日前に行われた同じヨーロッパリーグのフェネルバッチェ(イスタンブール)とゼニト(サンクトペテルブルク)の試合は、相手の国ロシア・サンクトペテルブルクとの時差はなく、キックオフが20時だったので。キックオフを21時とせず20時55分としたのは理解できないが、夜遅く帰ることになる地元サポーターに「ちょっとは配慮しました」という姿勢をみせるためだろうか?(そんなことはないか?)

スタジアムを出るのは23時くらいになると思われ、5万くらいの観客が一斉に帰途につくので帰りの足が心配だ。地下鉄の最終は24時前らしいので、何とか最終までには駅のホームにたどりつけると思うが、けっこう心配。

ホテルの部屋で帰りの足のことを考えていると、通りからかなりのボリューム(肉声)のおそらくガラタサライの応援チャントが聞こえてきた。熱狂的なサポーターの一団がチャントをうたいながら、イスティクラル通りを歩いているのだ。

そんな雰囲気に押され、予定よりも20分くらい早かったが、スタジアムへ向けて出発した。

19時20分ころの地下鉄(メトロ)2号線でタクシムからSanayi Mahallisi(サナイマハリスだったか?)へ移動、そこでスタジアムへ向かう枝線に乗り換え、スタジアム最寄りのSeyrantepe(セイランテぺ)へ移動。セイランテぺに着いたのは19時40分ころだったか? ちなみに、地下鉄で移動中も、別の車両でサポーターが歌うチャントが聞こえ来た。

駅の改札はサポーターが改札を飛び越えて入出場できないようにするためなのか、改札機のところで鉄製の回転扉のようなものがある。そこを出ると長いコンコースがあるが、ここでのトルコ人客の行動が面白かった。

どうやらライターは持ち込み禁止物品らしく、皆、靴に隠すのだ。そんなので大丈夫なのかと思ったが、エックス線検査はなくボディチェックだけなので、大丈夫のようだった(なお、スタジアム内でタバコを吸う人がけっこういたのでライターは黙認状態なのだろう)。

ちなみに、スタジアムへ持ち込むことができるものはかなり厳しく制限されているらしく、トルコ・テレコム・スタジアムでガラタサライの試合を観戦した人のブログなどを読むと、傘(雨が降っていてもだめ、当然スタジアム内での傘の使用は観戦マナー的に日本でもだめなのだが、傘の持ち込みがダメと言うことは雨の日は濡れて来て濡れて帰れということ))、ビデオカメラ、デジタルカメラ(一眼レフとか大きいものか? 中の電池を抜けばOKだったという話も→電池はスタジアム近辺のその辺に置いておき帰りに無事回収という話も)、スマホはOKなのでコンパクトデジカメはよさそうな雰囲気だがよくわからない。それからコイン(投げると危ないということか?)。


コンコースを抜けて鉄製の回転扉を抜けるとスタジアム前の広場に出た(昨日も訪れた場所)。

そこからスタジアムまでは3箇所のチェックポイントがある。

まず、パッソリグカード読み取りの端末でチェック(今日の試合のチケットホルダーかどうかということの確認、および本人確認-カード内に記録されている顔写真も端末に表示されたはず)。そして、チケットチェック役のすぐ後ろに控えている係員によって荷物とボディチェック(ポケットのあるところはすべて触られるが、スマホサイズの堅いものはスマホと認識されるようで何も言われない→ということで薄くて小さいコンパクトデジカメは通過できるのではないかと思う)。

第1のチェックポイントを通過して少しいくと第2ポイントがあり、また、ボディチェック・荷物チェック。

そして、スタジアム入り口でまたチケットチェック、ボディチェック・荷物チェックがある。



写真のゲートに下に第1チェックポイントがある。




2つのチェックポイントを通過した後に撮影。入口は席ごとにかなり細分化されていて、自分の入場口を見つけるまで、1周近く歩いた。




入場してすぐのところに、売店とトイレがあった。スタジアム内を自由に移動できないように通行制限されており、自分の陣取った席のあたりの客はここの売店とトイレしか利用できない感じ。ここは何となくポアッと暖かだったが、その原因は天井のところどころにあるヒーター(オレンジ色の部分)。




スタジアム内に入る。キックオフまで1時間以上あり、客席はガラガラ。皆、ゆっくる来るのだ。自分の右隣りの席のトルコ人紳士と少し話をした。試合前、写真を撮ってくれと頼んできて、それをきっかけに彼が、「どこからか?」、自分「日本」、紳士「おお長友、イスタンブール初めてか?」、自分「 いえ何回も、何回も」とかいう話をした。ちょっと英語をしゃべれる人だったので、「稲本は覚えている?」とか聞こうかと思ったが、稲本がガラタサライ時代どのような位置づけの 選手だったのか把握していなかったし、「ああ、いたね」という感じで軽く流されたらどうしようとあらぬ心配をしてしまって、聞くのはやめした(笑)。以前、アンカラでいきなり「どこの国からだ」と聞かれて「日本」と答えると「イナモト~」と言ってきたことがあるくらいだから、話を広げられたかもしれない(稲本はしばらくコンサドーレに在籍していたし)。 ちょっと後悔している。なお、この紳士が記念写真を撮っていたように、頻繁にスタジアムに来るわけではない人がけっこういるみたいだった。しかし、試合が始まると熱烈な応援。つまり、スタジアムに来ると熱烈な応援をするという分厚いファン・サポ層があるからこそ、高額にもかかわらず、こんなにチケットが売れるのだろう。




寒さを覚悟して、それなりの防寒対策もしてきたが、予想に反して、なんとなく寒くはない感じ(決して暖かいわけではない)。上の方から何かぬるいものを感じるのだ。で、見上げてみると沢山のヒーターが(オレンジ色のもの)。さっきの売店の前だけかと思っていた。さすが金持ちクラブ、設備にもお金をかけている。




自分の席はコーナーフラッグの上の方。ビジターの客は基本大事にはされず。写真の右上の上層のほんの一角のみ。ちなみにベンフィカサポ・ファンはパラパラという感じだった。




コーナーフラッグのあたりにには大人数の警備員が。このあとピッチ周囲の所定の位置に移動していった。




キックオフ直前。客席はほぼ埋まった。しかし、トルコの観客の熱狂状態は聞きしに勝るものだった。まず、試合が始まると、メインスタンドの客も含めてほぼ総立ち。レフェリーが相手有利の笛を吹こうものならば、猛烈なブーイングで、これも360度からわき起こる。応援チャントをやるのは二つのゴール裏席のサポが中心だが、ときとしてメイン、バックスタンドの客も声を出す。これではのんびり試合を楽しむことを目的とする人はスタジアムへは行けないという感じだが、その手の客は来なくても十分観客を動員できるクラブなので、そういう客に対する配慮は必要ないという感じだ。




手前の選手が長友。1点先制された後、ガラタサライが1点取ったのだが、その時のアシストは長友。この得点のときのスタジアムの盛り上がりは、陳腐な言い方しか思いつかないが、とにかくすごかった。自分もつられて喜んで、隣のトルコ人紳士と両手でハイタッチしようと手を出したが、トルコにハイタッチという習慣がないのか、手を合わせて喜び合うという形に。 その後、ガラタサライが押せ押せになったが、カウンターから失点をして結局は敗戦。




ちょっと写真がわかりにくいですが、ゴール裏の最前列にものすごい高いやぐらのようなものが立っており、そこに応援をリードする人が立っている。この写真のときは足場の最上部の縁みたいな所に立っており、すごく危険な感じ(笑)



リードしたベンフィカがうまく守って得点のにおいがしないなか、アディショナルタイムに入ると、あれだけ熱かった客が続々とスタジアムを後にし始めた。帰りの足の問題があるので仕方がないのかもしれない。しかし、自分は、アディショナルタイムに何があるかわからないということを身に染みてわかっている札幌サポのはしくれなので(笑)、帰りの足が心配だったが、試合終了のホイッスルを聞くまでスタジアムにとどまった。そして、試合終了後、件の紳士と「残念でしたね」という感じの表情をかわしながらお別れ。

スタジアムを出ると人人人で、その流れが遅くやや焦る。しかし、まだ23時前なので終電まではだいぶ余裕がある。まあ、大丈夫だろうと思い直し、ゆっくり進んでいくことに。

客の流れを見ると周囲の道路の方へ向かう観客も多数。まあ、地下鉄だけで5万近い客(スタジアムのキャパは5万2600くらい)がをさばくのは無理なので当然だろう。イスタンブールはバスとかミニバスとかドルムシュ(乗り合いタクシーみたいなもの)とか公共の交通機関が色々とあるので。

もし次の観戦機会があって、もっと試合開始時間が早ければ地下鉄以外の交通手段も確認したいと思う。

地下鉄の入り口に近づくと人の流れがピタリととまった。あの鉄の回転扉が客が一斉に改札に続く通路に流れ込むのを防いでいるのだ(人員を配置することなく入場制限をかけることになっている)。 そして、改札口の鉄の回転扉も客の流れを制御。客が改札を飛び越えてなだれ込むのを防ぐようになっている。そして、やはりトルコ人は親切で自分が外国人だと気が付いた人がそれとなく譲ってくれた。

乗車した地下鉄は運よくホテルの最寄り駅であるタクシム方面へ直行する電車で、12時を回る前にホテルに戻ることができた。