北京

<7日目続き>
1994年以来となる、実に久しぶりでの北京である。しばらく中国旅行への関心が薄れていたというか、中東旅行の熱が高まっていたため、1998年のチベット以外、中国自体がご無沙汰で、再び中国に頻繁に行くようになった2009年以降くらいには、北京といえば大気汚染というイメージがあって、なかなか旅の目的地として選択できずにいた。

しかし、今回、東北地方を回ったあとは、北京がどのように変わったかを見たいということで、出国地点を北京にした。

瀋陽から北京へは高鉄を使った方がずっと早いが、あえて高鉄は利用せず、「動車」という高鉄の一つ前の段階で運行されるようになった列車を利用することにした。高鉄は北京駅には乗り入れていないのだが、動車だと北京駅着の列車が選べるからだ。北京駅到着の列車に乗るのは1987年の夏以来だ。


13時9分瀋陽北駅発の列車に乗車(ハルビンか長春から来た列車か?)。
17時54分、定刻より2分早く北京駅到着。


北京駅の出口に向かう通路。赤とかオレンジ色とか派手な色の広告に出迎えられる。 



北京駅。外観は初めて中国に来た時と変わっていないと思う。



夜、お上りさんが集まる王府井に行ってみた。歩行者天国になるなど、昔の雰囲気はまったく残っていなかった。




<7日目>
まず、故宮の北にある景山公園に行ってみたが、空気がまった澄んでおらず、遠くが見渡せない。大気汚染も一因だと思うが、夏場の北京はけっこう湿気があり、それも遠くが見渡せない原因かと思う。昔、夏に北京に来たときもすっきりとした青空にはお目にかかれなかったので。



もしかしてと思ってやって来たが、全然ダメ。




景山公園は早々出て、南鑼鼓巷へ行った。この通りは南北の通りで、ここから左右つまり東西に細い路地(胡同=フートン)が伸びている。古い時代の北京の風情を感じられるということで、確か90年代にはすでに、あちこちの胡同をめぐる観光が始まっていたと記憶しているが(正確ではありません)、今は完全に観光地化して、写真の南鑼鼓巷は道の両側に土産物や食べ物屋が並んでいて、ちょっとお洒落な街という感じになっている。



南鑼鼓巷から横の胡同に入ると少しは風情が感じられる場所もある。




「個人の家、立ち入り禁止」という張り紙が。勝手に中に入って来る観光客がいたのだろう。



南鑼鼓巷から西へ向かって歩いていくと、什刹海という地区に出た。写真は「前海」というところ。故宮の西側から西北にかけての地区には、このような人工池が並んでいて、南から南海、中海、北海、前海、后海となっている。中海と南海のあたりは中国政府の最高機関や要人の住居になっており、ニュースなどで耳にする「中南海」とはその辺のこと。

 

什刹海の後は懐かしい北京飯店へ。なぜ懐かしいかといえば、初めて北京に行ったころ、コカ・コーラは街中ではほとんど売られておらず、北京飯店1階の売店で冷えたものが買えたからである。当時、街中で買うことのできる炭酸飲料といえば「汽水」という飲み物しかなく、これはオレンジ色をしていて一応オレンジ味っぽかった。合成着色料・合成甘味料風味バリバリで暑い中歩き回ったあと、無性にコーラが飲みたくなったときに北京飯店へ行ったのだ。長い年月のなか、北京飯店は大改装され、1階の色々な店もなくなっていた。唯一、見覚えがあるかなというのが上の写真の場所。僕の超個人的な記憶を呼び起こす補助装置としての写真です。




昼食後は前門のあたりへ。写真は箭楼。ここの南側には下町っぽい活気のある街が広がっていたのだが、今はどうなったか。




まだ、何となく昔の雰囲気が残っていた。




でも、メインの通りはお上りさん向けの超観光地という感じ。(ここは大柵欄街だったか?)




まあまあの雰囲気。




壁に絵を飾った通りも(これだけではなく何枚も並んでいました)。




続いて天壇公園へ。広大の一言。木立がよい日陰を作っているので、中国人ジョガーが多数。ちなみに、天壇は、明・清王朝の皇帝が毎年天地の神を祀り、豊作を祈った場所。




皇穹宇(こうきゅうう)。円形の壁に囲まれているが、この壁を回音壁という。内側の壁(写真は外から撮ったもの)に耳をあてるとl、壁を伝わって180度反対側のささやくような声も聞こえるということで、昔は実際に壁に耳を付けて試す観光客が多く、面白い写真が撮れたのですが、さすがに管理が厳しくなり、壁の前に柵がおかれて、そうしたことができなくなり、ただの「円形の壁と柵」の写真を載せても面白くないので、写真はなしということで。




圜丘壇(えんきゅうだん)。皇帝が天と交信した、天壇公園でもっとも重要な場所。




圜丘壇の中心にある円形の石の部分が最も重要な場所で皇帝が天の交信したところ。ということで、観光客の記念撮影の一番の人気スポットとなっていました。




圜丘壇から北方向を望む。すぐ北が皇穹宇で、その奥に祈年殿が見える。ところで空がだいぶ青くなってきた。明日の天気は期待できるかも。




祈年殿。正月に皇帝が五穀豊穣を祈った場所。綺麗な建物です。




祈年殿の内部。




祈年殿の前の石段の中央にある竜のレリーフ。




<8日目>
朝起きて、部屋の窓から空を見上げると、青空が。昨日とは全然違う、ということで、チェックアウトして荷物を預かってもらい、再び景山公園へ向かった。



景山公園。




景山公園から故宮を望む。昨日より全然空気が澄んでいる。ただ、10時半くらいになっており、南方向はやや逆光気味。




北方向。




北海公園方向を望む。




故宮の午門。あまり混雑していないように見えるが、実は大混雑。




天安門から午門への道。景山公園を出た後、故宮の東側(塀の外側)をずっと歩いて、午門の前を通って天安門へ行こうとしたところ一方通行で、元来た道を逆戻り。東華門の前を通って堀を渡り、その後南下して長安街(天安門が面している通り)に出て、天安門へ。




天安門。真ん中の通路は開放されておらず、観光客は両サイドの通路から入場。天気は最高だが、残念ながら天安門は化粧直しか何かがあるようで、何やら覆いが。




秋が近いことを感じさせる青い空。



これにて観光は終了。ホテルで荷物をピックアップしてから空港へ向かった。

          終わり