モロッコからスペインへの海路移動は大変になった?


フェズの朝はすがすがしい晴れだった。暑さはあまり感じず、駅までの歩きは気持ちのよいものだった。



フェズの新市街。モロッコという感じはしない。



ヨーロッパのどこかという感じのフェズの新市街だが、モスクのミナレットに、ここがイスラムの国であることを再確認させられる。


乗車予定の列車は10時50分発のマラケシュ行き。途中、シディ・カセムというところで乗り換えて、16時前にはタンジェに到着する予定。もっと早い列車もあるのだが、例によってガッツを出して早起きをするというモードではない。タンジェに16時に到着できれば、夏の遅い夕暮れ時にはスペインにたどりつけるだろうし、それで十分だ。

16時すぎタンジェ到着(少し遅れたか?)。タンジェの鉄道駅は、以前は港のすぐそばにあったのだが、現在は随分離れた場所に変わってしまった。06~07版の『地球の歩き方』には、市街中心から南東に6キロとあり、とても徒歩圏内ではない。というわけで、駅を出るとタクシーをつかまえようとしたが、全然つかまらない。「ならば、バスだ」と思い、少し歩くと、すぐに海岸に出た。海岸に出ると、遠くにl客船の並ぶ埠頭が見えた。どうも歩けそうだ。『歩き方』の情報は古い情報で、少し港に近いところまで鉄道が伸びたのか?



駅から少し歩いたところにあるタンジェのビーチ。この横をずっと歩いて行った。海風が心地よく、意外と暑さは感じなかった。


歩くこと20分、16時45分ころ港に到着するとすぐにイミグレへ。列もそれほど長くはなく、すぐに出国審査の順番がまわってきた。しかし、17時代のフェリーに乗れそうだと思った瞬間、問題が発生。イミグレの係官が出国スタンプを押せないと言い出した。それで「ポリスへ行け」の一点張り。何故だと聞いても、まったく埒があかない。いろいろと乗客の面倒を見てくれていた、港の係官におじさんにポリスへ行けと言われたということを伝えると、すぐのことの次第を了解したようで、ポリスの場所を教えてくれる。ただ、なぜそういうことになっているのかは、聞けなかった。とにかく、ポリスに行けば何が問題なのかわかるだろう。

一度イミグレの外へ出て、ポリスへ行くと、「スペインのビザがないが」と言われる。イミグレもそういう理由で出国許可を拒否したのか? 「日本人はビザなしでスペインに入国できるんです」と説明するが、なかなかすんなりOKがでない。(記憶が不確かだが、別の部署に電話をしたりしながらようやく放免されたが、別に何か書類をくれることもなかった)

イミグレのところへ行くと例のおじさんが、「おお戻ってきたか」という感じでニコニコと寄ってきて、チップを要求してきた。さすがモロッコだ。しかし、にくめない感じのおじさんだったし、実際、彼には助けられたので、もちろんチップを渡す。ポケットから使い残しのコインを出して、そこから20ディラハムを渡すと、笑顔で手の上のコイン全部くれという。まったくちゃっかりしている。しかし、ディラハムのコインを持っていても仕方がないので、結局全部渡して、出国審査を済ませたが、今度はまったく問題なしだった。いったいどういうことだったのか(後から知ったことだが、空路モロッコに入国して海路(陸路)出国しようとすると、そこで止められるというトラブルが続出しているそう。良く理解できないが)。

18時50分発のフェリーでアフリカ大陸から離れ、モロッコ時間の21時20分、スペインのアルヘシラスに到着。スペイン時間では22時20分。かなり遅くなってしまった、というか遅くなりすぎだ。
ホテルはあるのか?

港の近くにホテルがたくさん固まってある地域があり、割と簡単に部屋が確保できるかもと思ったが、何軒かあたっても「満室です」という答えがかえって来るばかり。ランクをあげると見つかりそうな感じもあったが、安そうなところにもう少し当たってみようとおもって行ったホテルで紹介されたホテルへ行くと、1部屋だけ空き部屋があった。ホテルのおじさんは「部屋を見るか」というので、みせてもらうと、部屋にトイレがついているのだが、広いトイレにベッドが置いてあるという感じの部屋。つまりトイレが別室になっておらず、部屋の一角に便器があるという、まるで独房のような作りの部屋だった。そういうつくりのせいもあって、部屋全体がトイレ臭い。1泊だけとはいえ、さすが遠慮したい。ということで、また、部屋探しに街へ出た。

次に行ったホテルでも部屋があいていた。ファン、シャワー、トイレ付だが、トイレ・シャワールームと部屋の間に仕切りはあるものの、天井の部分はあいていて、完全な別室にはなっていない。結局、この時間であいているのはこういう部屋だけなのか? まあ、さっきの部屋よりましだということでチェックイン。一泊22ユーロ。

しかし、22ユーロというのは、ホテルの料金の高いヨーロッパとしては格安だ。スペインにはまだ安宿といえるホテルが残っているようだ。



ジブラルタル海峡に沈む夕日。



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