世界一周旅行出発


2014年6月の旅である。

長い間海外旅行を繰り返しているが、6月の旅行は初めてである。仕事都合上、6月という旅に絶好のシーズンには絶対に休めなかったからである。しかし、考えるところあって、2014年の春で長年務めた仕事を辞めた(実際にはいきがかり上、自宅でできる若干の仕事を引き受けたのだが)。
それで、6月の旅が急浮上してきた。

仕事を辞めることを決断したのは2013年の夏。その時、まず思ったのが、2014年のサッカーワールドカップブラジル大会の試合を見に行けるなということだった。ただ、日本代表チームにそれほど強い思い入れがあるわけではないので(やはり普段応援している札幌が一番)、何試合も見なくてもよい。また、6月、ブラジル以外に是非行きたいところがあった。それはスペインのアンダルシア地方である。6月はアンダルシアでは広大な畑にひろがるヒマワリの花が見られるのである。

一度の旅行でスペインとブラジルに行くということを決めたため、購入する航空券は世界一周航空券の一択となった(普段利用している日本航空も参加しているワン・ワールドの世界一周航空券を使うこととした)。

12月には組み合わせ抽選が行われ、日本チームの日程も決まった。第1戦が6月13日、場所はレシフェ。第2戦が19日、場所はナタル、第3戦は23日場所はクイアパ。一方、若干の仕事を引き受けていたため、自分が日本を空けられるのは6月の10日前後から6月いっぱいくらいまで。

で、旅程である。航空機での移動に時差ボケはつきものだが、西回りでの移動の方がずっと時差ボケが少ない(なぜだかはわからないが)。とすると、第1戦を観戦するとするとヨーロッパにほとんど日程を割けない。一方、第3戦を観戦するならば、ヨーロッパをゆっくり周遊でき、場合によってはモロッコあたりにも寄れそうだが、どうもクイアパという街のホテルが極端に少なく、部屋の確保が難しそうである。ということで、観戦は日本チームの第2戦ということにして、すぐにナタルのホテルを押さえた(何回か予約とキャンセルを繰り返し最終的にはスタジアムまで徒歩10分くらいという好立地のホテルを押さえることができた)。もちろん、この時点でチケットは確保できておらず、抽選という関門を通過しなければならないのだが。

日本出発日は6月9日、6月17日にブラジル入りという予定をたてた。ヨーロッパには約1週間滞在できるので、アンダルシア以外にもう1~2箇所見られる。そこで、浮上してきたのが、ギリシャのサントリーニ島。エーゲ海に浮かぶ島で、白い家が並ぶギリシャの典型的な観光地である。ちょっとメジャーすぎだが、ギリシャを初めて訪れた頃から気になっていた島である。ただ、今まで海外へ行っていた3月は完全にシーズンオフで天候も安定せず、一方8月だとバカンスシーズンでどれだけ混雑するか想像もつかない。6月ならば観光客の数も夏休み時期よりは少なく、天気も安定しているのでよいだろうという判断である。

ということで、日本をたった後、ギリシャのサントリーニ島に行き、その後スペインに飛んで、アンダルシアのヒマワリを見て、その後、ブラジルへ飛ぶという旅程が決まった。

最初の目的地はサントリーニだが、もちろん日本からの直行便はない。日本からヨーロッパのどこかの都市へ飛び、さらにギリシャへ移動、そこから国内線でサントリーニ島というルートもあるが、ワンワールドのホームページで調べていると、ギリシャの国内線を使わずにサントリーニ島へ行けることがわかった。ルートは成田-フランクフルト-ウイーン-サントリーニというもので、ウイーンで1泊となる。


 6月9日

さて、6月9日、JAL便でフランクフルトに飛び、そこで乗り継ぎ、ウイーンに着いたのが夜の9時半頃。最初は空港のホテルを予約しておこうかとも思ったが、高かったのと翌朝少しだがウイーン市内を歩けるということで、市内のホテルを予約しておいた。

ウイーンの空港から市内まではけっこう近く、21時50分のバスにのり、市内のシュヴェーデン・プラッツに着いたのが22時25分頃。かなり遅い時間だが、もっとも日が長い時期であり、夏時間を採用していることもあって、日没から1時間半くらいしかたっておらず、街はまだ夜の早い時間帯という感じ賑わい。

しかし、バスを降りた場所がよくわからなかった。手持ちの地図を見ても、街角にあった案内図を見ても、今一つ自分のいる位置がわからない。すぐそばに川が流れており、現在地の把握は容易なはずなのだが、長時間の移動で頭がボーっとしており、地図が読めないのだ。でも、なんとか自分の位置を把握し予約したホテルにたどりつくことができた。


 6月10日

今日は11時25分の飛行機でサントリーニまで飛ぶことになっている。空港に9時半くらいまでに着くとして、9時のバスでウイーン市内を出ればよいので、朝食後、少し散策ができる。

ということで、朝食後、約1時間、ウイーンの街を歩いた。


シュテファン大聖堂。



モーツアルトの像。


予定通り、昨夜バスを降りたところから、バスに乗り、9時半には空港に到着して、すぐにチェックイン。ここまでは順調だったが、Niki航空の飛行機の出発が2時間ほど遅れて13時半ころ出発となり、サントリーニには現地時間の16時ころに到着。飛行機は遅れることが時々あるので仕方がないが、実はこの便が折り返しウイーンに向かうわけで、2日後、その便に搭乗することになっている。2日後、同じだけ遅れると、ウイーン発マドリッド行きの便に間に合わない。まあ、そう頻繁に大遅延はないと思うので、そうした遅れがこの日になってくれてよかったと思うことにする。

空港の到着口でホテルのスタッフの出迎えを受け(一泊5000円くらいのホテルだったが、無料の空港送迎がついているホテルだった)、フィラにあるホテルへ移動。



部屋は質素なものだったが、スタッフはとてもフレンドリーで、居心地のよいホテルだった。観光立国ギリシャの実力の一端を垣間見ることができたというのは大げさであろうか。


一休みしたあと、イアの街へ向かった。サントリーニの見所の大きな部分が、このイアの街で、特に夕日が有名だ。例によって出発前に詳細は調べてこなかったので、とりあえず行ってみるかという感じでフィラのバスターミナル(というほどのものではない)に行くと、イア行きのバスが止まっており、もちろん乗り込むことにした。バスの乗車券はターミナルの案内所みたいなところでは売っておらず、バスの中で買う仕組み。車掌というか、運転手の助手というか、そういう人がいて、バスが動き出すと、乗客をかきわけて乗車券を売りに来た。さて、今「乗客をかきわけて」と書いたが、実はものすごい観光客の数なのである。そして、そのかなりの部分を中国人が占めていた。昨今の中国人観光客の増加にはめざましいものがあるが、フィラやイアの街中で漢字がかなり見られたことから、けっこう前から中国人観光客が多く来るようになっていることがうかがわれる。
また、インド人観光客の目だった(お土産屋がインド人にむかって「ナマステ」と挨拶するようになるほど増えているらしい)。長い間、海外一人歩きをしているが、ここ10数年の観光客の増加には目を見張るものがある。それは新興国の経済発展と軌を一にしている。欧米の観光客に加えて、新興国の観光客が増えれば、あちこちの観光地が混雑するのも当たり前である。



イアの白い家々。むこうに見える白いものも家々。







イアで最も有名な眺めだと思う。この日は夕日を見に行かず、夕焼けの撮影をねらったが、期待したほど空は茜色にはそまらなかった。



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