サナア近郊

3月5日、8時45分ころ、サナア近郊ツアーに出発。車はトヨタのランドクルーザー、これにドライバー兼ガイドが1人、客は自分一人である。

まず、ワディ・ダハールにあるロックパレスへ。


ワディ・ダハール。小さい写真を思い切り拡大したため、かなり不鮮明だが、左半分の中央の岩の上にロックパレスと呼ばれる建物が見える。



ロックパレス。1930年代にイエメンを支配していたイマームの夏の別荘だったところ。



別の方向から見たロックパレス(だったと思う)。



続いて向かったのはスーラ。他部族や他民族との抗争を続けてきたイエメンの山岳部族の村の典型といわれる。


スーラに行く途中か? スーラから見た景色か?



スーラ。スーラは小高い丘の上に作られた村である。



建物は石造りで堅固な感じ。外敵の侵入に備えて、人間は3階以上に住む。1・2階に窓がないのはそのため。通常、1階は家畜用、2階は穀物貯蔵用に使用される。



手前の白いドームはモスク。



スーラをあとにした我々は、岩壁の上と下の形成されたシバームとコーカバンへ向かった。二つの町は同じ部族の町で、岩壁の下の平地のシバーム(標高約2500m)は農業と商業を担当、岩壁の上のコーカバン(2850mくらい)は、軍事を担当。二つの町の住人はお互い助け合って生活してきたという。


コーカバン。思い切り拡大をかけたもので、かなり不鮮明ですが、岩壁の上に集落が広がることくらいは確認できると思います。



コーカバンの町の門。ランドクルーザーのドライバーは「俺は下のシバームで待っているから」と行ってしまった。門をくぐるとどこからともなく子供がやってきてガイドを始めた。事情がわからぬままどんどん歩いていって、村の人に迷惑をかけるのもなんなので、子供たちについて歩くことにしたが、なぜか町の中の写真は1枚も撮っていない。




コーカバンからシバームを望む。さっきドライバーに教えてもらった、石ころごろごろの道を下ってシバームへ行った。



シバームの町で昼食タイムとなった。イエメンの伝統的な建築を利用した観光客相手のレストランで、客は絨毯が敷かれた床にすわって食事をする。部屋では、ヨーロッパ人のツアー客が食事をしており、僕はそのなかに入れてもらうという形で昼食をとった。

一方、僕のドライバーといえば、すでに食事を済ませ、カートを噛んでいた。カートとは木の葉っぱで、これを噛んで、そのエキスを飲むことで軽い神経興奮作用が得られるという。サウジアラビアでは麻薬の一種として禁止されているが、イエメンでは合法的な嗜好品で、イエメン男性の多くは、このカートが大好きである。食事後、ドライバーが勧めるので噛んで見たが、ただ苦いだけの葉っぱであった。

3時少し前には、サナアに戻った。さて、また旧市街散策でもと思っていると、空が真っ暗になり、雷鳴がとどろき強い雨が降ってきた。雨は2時間くらいであがったが、街は水浸しで、道路には渡れない箇所がたくさんできていた。

ということで、この日は外での夕食はあきらめて、ホテルのレストランでとることにした(レストランつきの中級ホテルに泊っていました)。